第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般ポスター(多領域専門職部門)

一般ポスター(多領域専門職部門)1
多職種連携・プレパレーション

Sat. Jul 18, 2015 9:35 AM - 10:00 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:栗田 直央子 (東京女子医科大学病院)

III-TRP-01~III-TRP-05

[III-TRP-01] 心臓カテーテル検査後の圧迫方法の見直しとその効果~体型に合わせた固定バンド作製と固定効果を高めるための児の協力~

三師 佑季子 (北海道立子ども総合医療療育センター)

Keywords:心臓カテーテル検査, 圧迫固定, プレパレーション

【はじめに】心臓カテーテル検査後の固定や安静は子どもにとって混乱する出来事である。A病院は穿刺部(鼠径)の圧迫固定にテープを使用しているが、剥がす時に啼泣を強め皮膚障害を起こすことがある。そこでテープ除去時の痛みと皮膚トラブルを減らすため固定バンドの導入を試みた。固定が緩むと再出血の可能性があるため児の協力が得られるよう、プレパレーションを行うことで固定効果を高めると考えた。【目的】バンドで固定効果が得られ、皮膚トラブルと痛みが最小限になることを児の反応から観る。【方法】対象:3歳以上の知的合併症がない22名の患者。方法:マジックテープで着脱出来る綿生地のバンドを作製。穿刺部の上を交差する生地の1本にゴムを付け、テンションがかかるようにした。プレパレーションとバンドの試着を行い、体型に合うことと苦痛の有無を確認。穿刺部はガーゼの上に10cm程度のテープを2方向から貼用し、重石(コルク)を乗せ、バンドを装着。固定の緩み・出血の有無・皮膚発赤・循環障害・苦痛の有無を観察。苦痛を評価する適切なスケールがなかったため子どもの反応を記録に記載した。【結果】再出血0名。テープ部位に限局して2名に発赤が見られた。「頑張った」と自己を肯定する児もいた。【考察】伸縮性のない素材と重石で皮膚に密着し、固定効果が得られた。バンド使用でテープの貼用面が少なくなったことは、痛みや皮膚トラブル部位を減少させ苦痛の軽減につながった。帰室後、覚醒したときに使用する抑制具の装着体験は、見せるだけでもイメージでき、効果が期待できると言われている。プレパレーションとバンドの試着を行ったことは帰室後の心理的混乱の軽減に役立った。更に安静を守れたことが成功体験となり子どもの自信や達成感にもつながったと考える。【結論】固定効果が得られ皮膚トラブルが軽減した。プレパレーションで児の協力が得られ固定効果が高まった。