第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般ポスター(多領域専門職部門)

一般ポスター(多領域専門職部門)1
多職種連携・プレパレーション

Sat. Jul 18, 2015 9:35 AM - 10:00 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:栗田 直央子 (東京女子医科大学病院)

III-TRP-01~III-TRP-05

[III-TRP-03] 小児専門病院 循環器病棟における内服薬インシデントを減らす取り組み~H2病棟に薬剤師さんに来てもらおう!作戦 その1~

萩原 綾子1, 配野 留実1, 荒俣 千晶1, 高見 暁代2, 岩城 孝宏2, 加藤 佑治2, 島田 奈央美2, 古屋 明仁2, 柳 貞光3, 武田 裕子4, 熊坂 治2 (1.神奈川県立こども医療センターハイケア救急病棟2, 2.神奈川県立こども医療センター 薬剤科, 3.神奈川県立こども医療センター 循環器内科, 4.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科)

Keywords:ヒヤリハット, 内服インシデント, 薬剤師

【背景】当病棟は循環器疾患で高度医療、ケアが必要な患者が対象である。内服治療は体調に合わせる必要があり指示変更が多く業務が煩雑である。インシデントは内服薬に関するものが最も多く、循環作動薬は生命に影響を与えるため業務改善として取り組む必要があった。今まで病棟に薬剤師は駐在していなかったが14年10月から循環器科、心臓血管外科の医師が協力し外来処方の院外薬局移行を推進、これによって捻出した時間(週3回/各2時間)で病棟業務を行い内服薬インシデントを減らす取り組みを行った。【目的】病棟におけるインシデントを実態調査する。薬剤師が病棟業務を行うことで内服薬インシデントへの効果を調査する。【方法】2012年4月~14年12月(33カ月)までのインシデント報告について、院内の報告分析ソフトを用い単純集計する。取り組み前後のインシデント件数を比較する。【結果】インシデント報告総数(33カ月)は345件、内訳として薬剤に関するもの123件(35.7%)、そのうち内服薬に関するもの80件(65%)で最も多く、利尿剤に関するものが34件(42.5%)であった。10月より病棟で薬剤師が関わり、医師、看護師、薬剤師の多職種チームによる検討の開始、医師と薬剤師による定時処方の確認、看護師と薬剤師による配薬確認を行った。取り組み開始以前(14年4月~8月)のインシデント件数は17件/5カ月で、取り組み開始以後(9月~15年12月)は7件/4カ月である。平均3.4件/月から1.8件/月と約半数に減少した。【考察】循環器病棟におけるインシデントは内服薬、特に利尿剤に関するものが多かった。これは小児循環器特有の専門的で煩雑な薬剤管理が関連している為だと考えられる。限られた時間であっても病棟に薬剤師が駐在し専門的な知識を生かして業務に関わることで内服薬インシデントを半減させる効果があった。【結語】内服薬インシデント対策として薬剤師の病棟駐在を含む、多職種によるチーム医療は有効である。