[III-TRP-04] 小児専門病院 循環器病棟における服薬指導を増やす取り組み~H2病棟に薬剤師さんに来てもらおう!作戦 その2~
キーワード:薬剤師, 服薬指導, 病棟業務
【背景】2014年の改正薬剤師法に伴い薬剤師による服薬指導を行うことが義務化され、診療報酬算定上のハイリスク薬で380点、その他の薬剤で325点が算定できる。当院では外来調剤にかかる業務量や人員の制約により薬剤師の病棟常駐は行われていなかったが、服薬指導の充実が求められていることから病棟業務の進出が重要だと考えた。病棟に薬剤師は駐在していなかったが14年10月から循環器科、心臓血管外科の医師が協力し外来処方の院外薬局移行を推進、これによって捻出した時間(週3回/各2時間)で循環器系病棟業務を行い服薬指導を増やす取り組みを行った。【目的】薬剤師が病棟業務を行ったことでの服薬指導件数の変化を明らかにする。【方法】医師と協力し院外処方せんの発行率を上げ薬剤師が病棟に行く時間を確保する。薬剤師が病棟で服薬指導や内服処方の内容確認などの業務を行い、カンファレンスに参加し服薬指導につなげる。取り組みの期間は14年11月から15年1月の3ヶ月とし、過去1年間の服薬指導の件数・指導内容との変化を比較する。【結果】服薬指導の件数は14年4月から11月の平均2件/月(すべてワーファリン)から、取り組みを開始した3ヶ月間で17件(ワーファリン5件、ジゴシン4件、ハイリスク薬を含まない患者9件)と増加が見られた。カンファレンスに参加することで医師から指導依頼を受け、看護師とは患者、家族との時間調整などの指導の準備を素早く進めることが可能となった。短期入院が推進され指導の時間が限られている中で、ハイリスク薬服用の患者だけでなく初めての育児で不安の高い家族、飲ませ方に工夫が必要と思われるケースへの指導の増加につながった。【考察】限られた時間であっても薬剤師が病棟で医師・看護師と直接やりとりをすることで服薬指導に関わる業務を効率よく行えるようになり指導件数の増加につながった。【結語】服薬指導の強化として薬剤師の病棟駐在は有効である。