第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般ポスター(多領域専門職部門)

3-01 その他

一般ポスター(多領域専門職部門)2
周術期・集中治療における支援

2015年7月18日(土) 10:00 〜 10:25 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:長谷川 弘子 (大阪大学医学部附属病院)

III-TRP-06~III-TRP-10

[III-TRP-08] 術後ミーティング参加による手術室看護師への効果~グループインタビュー分析結果より~

横倉 由香里, 藤枝 礼, 高橋 弥貴, 須能 弘美 (茨城県立こども病院 手術室)

キーワード:術後ミーティング, チーム医療, 周術期

【背景】周術期のチーム医療推進と共に、迅速で確実な器械操作と、術中操作を熟知しアセスメント能力に長ける手術室看護師の専門性が求められている。A病院の心臓血管外科手術では、周術期における情報共有のため、2012年より医師を中心とした他職種間で術後ミーティングを導入した。手術室看護師の術後ミーティング参加の効果について検討した。【目的】 手術室看護師の術後ミーティングの有用性と課題を明らかにする。【言葉の定義】術後ミーティングとは、心臓血管外科医師・麻酔科医師・臨床工学技士・手術室看護師・ICU看護師・小児循環器科医師が参加し、術中操作や術後管理について情報交換や情報共有すること。【方法】 手術室看護師6名にフォーカスグループインタビューを実施し、内容について分析した。【倫理的配慮】匿名性の保持とデータは本研究以外では使用しないことを説明し、同意を得た。【結果・考察】 外回り看護の視点では、「術式の理解や術中看護の評価をする場になる」という意見が聞かれた。人工心肺の影響や変化する血行動態により病態生理をアセスメントし、ICU看護師に情報を伝達する事で、周術期における個別性を捉えた術後看護に繋がる。器械出し看護の視点では、「限られた視野での分かりづらい操作について確認できる」という意見があり、自己の器械出し操作の振り返りの場となっていた。心臓血管外科手術の器械出しは、的確な判断とスピードが求められる。医学的な情報を基にした手順や操作の振り返りは、手術室看護の専門的知識、技術の向上に繋がる。「発言がしにくい」という意見があり、短時間でのミーティングであることや手術室経験年数などが影響していると考えられる。進行方法や、経験年数に合わせた参加形態の検討が示唆された。【結論】 術後ミーティングは、周術期における手術室看護師の専門的スキルの向上となり、他職種間で協働できる運用の検討が急務である。