第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般ポスター(多領域専門職部門)

3-01 その他

一般ポスター(多領域専門職部門)2
周術期・集中治療における支援

Sat. Jul 18, 2015 10:00 AM - 10:25 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:長谷川 弘子 (大阪大学医学部附属病院)

III-TRP-06~III-TRP-10

[III-TRP-09] 頭部体圧分散を目的とした型抜きベビーズマットレスの効果

小笠原 久美子, 佐々木 幸菜, 漆原 由美子, 類家 美穂, 岩泉 尚子, 橋本 博明 (岩手医科大学附属病院循環器医療センター 看護部ICU)

Keywords:頭部体圧分散, 小児, ベビーズマットレス

【背景】小児は体に対する頭部の割合が大きく、頭部が褥瘡の好発部位とされている。また、心臓血管手術後の患児は、循環動態の変動により皮膚表層の血流の低下のリスクがある。今回、小児の頭部圧分散に、型抜きベビーズマットレス(以下、マットレスとする)を使用した結果、頭部体圧値の低下の示唆を得たため報告する。【目的】心臓血管手術を受けた患児の頭部体圧分散に、マットレスを使用した効果を明らかにする【用語の定義】型抜きベビーズマットレスとは、対象患児をベビーズマットレス上に臥床させ頭部との接触面をマーキングし、その2cm内側を切り抜いたものとする。【方法】期間:平成24年4月1日から12月31日。対象:心臓血管手術を受けICUに入室した患児58名。マットレスの使用方法:体圧分散寝具はペディキュアマットレスを使用。モルテン製ハイパー除湿ボックスシーツにハーフシーツを併用し、ハーフシーツ下にマットレスを挿入しICU入室時から使用した。データ収集方法:対象患児全てにおいて、手術後1病日に体圧測定を行った。体圧値測定は携帯型接触圧力測定器パームQを用いた。分析方法:対象をマットレスの未使用群(A群)と、使用群(B群)の2群に分類した。それぞれの群の、月齢・身長・体重・頭部体圧値・仙骨部体圧値を、マンホイットニー順位和検定を行い比較し、P<0.05 で有意差ありとした。【結果】頭部体圧値はP=0.065で有意差はなかった。しかし、頭部体圧値の平均はA群と比較してB群が低かった。【考察】マットレスと頭部の接触面をくり抜いたことにより、頭部を側面から支持する作用が働いた。マットレスと頭部の接触面積が増えた結果、沈める、包むという圧の再分配が行われ、一点に加わる圧を低くすることができたと考える。【結論】心臓血管外科手術を受けた患児にマットレスを使用することで、頭部体圧値の平均を低下させ頭部褥瘡予防につながる。