第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般ポスター(多領域専門職部門)

3-01 その他

一般ポスター(多領域専門職部門)2
周術期・集中治療における支援

Sat. Jul 18, 2015 10:00 AM - 10:25 AM ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:長谷川 弘子 (大阪大学医学部附属病院)

III-TRP-06~III-TRP-10

[III-TRP-10] ネーザルハイフロー導入前後の比較~患児とその母親から~

高柳 綾子, 本宮 めぐみ (東京女子医科大学病院 看護部)

Keywords:ネーザルハイフロー, NHF, NCPAP

1.研究目的 ネーザルハイフロー(以下NHF)使用前後での変化を明らかにする。2.研究方法 ICU記録からNHF使用前後での患児の変化を抽出し、患児の母親にインタビューを行った。3.結果 ICU記録上からは呼吸状態の悪化なく、改善傾向であった。安静保持時間は増加し、それに伴い呼吸数や心拍数も増加率の低下が認められた。しかし、鎮静使用量の減少は認めなかった。さらに母親は、NCPAP使用時にはなかった抱っこが、NHF導入後ほぼ毎日抱っこがおこなわれるようになった。インタビューからも、母親は患児とのふれあいの機会が増えたたこと、NCPAP使用時に比較して患児が安楽であることをはなした。一方で、NCPAPでは、母親は、PEEPの数値を画面から読み取り治療をしているという実感があったが、NHFには数値を記載する画面がないため治療を感じられない不安も感じていた。その他で、母親は、テープ貼付部の皮膚発赤や剥離が生じたことが気がかりとなっていた。4.考察 NHF導入後も呼吸状態安定され、本事例ではNCPAPとNHFは同等の効果が得られていると考えられる。小児領域における愛着形成や発育ケアの促進は重要ではあるが、集中治療では優先順位が下げられることも少なくない。しかし、本事例では、NHFを使用することによって、母親は、抱っこや経口哺乳などを行うことができた。また、タッチングの機会増加による母の満足度の上昇もみられていることから、愛着形成が促進されたと言える。その一方で、安静保持時間の増加は認めたが、鎮静薬使用量の減量には至らなかった。このため、本研究は一事例であることから事例数を集め、更なる検討が必要であると考えられる。また、NHFによって、皮膚の発赤を生じたことから、皮膚トラブルが生じないよう工夫が必要であることが示唆された。