第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般ポスター(多領域専門職部門)

3-01 その他

一般ポスター(多領域専門職部門)3
家族支援

2015年7月18日(土) 09:35 〜 10:00 ポスター会場 (1F オリオン A+B)

座長:青木 雅子 (東京女子医科大学)

III-TRP-11~III-TRP-15

[III-TRP-13] 小児ICUに緊急搬送された先天性心疾患をもつ子どもの家族の思いと看護師の関わり

布俣 亜弥1, 長柄 美保子1, 大橋 彩乃2 (1.岐阜県総合医療センター, 2.名古屋医専)

キーワード:小児ICU, 家族, 看護師の関わり

【目的】子どもが緊急搬送されすぐに小児ICUへ入院となる場合、処置や治療に追われ、家族への関わりが十分でないことがある。そこで、本研究は、小児ICUに緊急搬送された先天性心疾患をもつ子どもの家族の思いを理解し、家族が求める看護師の関わりを明らかにすることを目的とした。研究方法A病院の小児ICUに緊急搬送された先天性心疾患をもつ子どもの家族の7名を対象に、半構成的面接を行い、家族の思いを質的に分析した。なお、本研究は所属機関の看護研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。【結果】分析の結果、27のコードを抽出し、12のカテゴリーを作成した。以下に、カテゴリーは< >で表す。出産からICUに緊急入院するまでの家族の思いとして、<子どもの誕生への喜びと安心><子どもの病気への衝撃と混乱><子どもの生命や今後への不安><治療を受け入れる覚悟><手術する子どもの不憫さ>があげられた。ICU入院中の家族の思いとして、<ICUで感じる緊張と居心地の悪さ><子どもに触れることへの恐怖心><子どもを愛おしむ気持ち><親役割が果たせる実感>があげられた。看護師に対する思いとして、<看護師が安心できる存在><看護師の対応への不満><看護師に対する気兼ね>があげられた。【考察】小児ICUへの緊急入院という状況は、家族にとっての危機であるが、子どもの誕生への喜びと安心を感じることが、危機的状況下でも心理的な安定を完全に失わないでいられると考えられる。よって、子どもの誕生を喜べる環境や、無理なく子どもとの関係を深めていける援助を提供することが大切であり、ICUという特殊な環境で戸惑いや不安を感じていることを常に念頭に置きながら家族と接する必要があると考える。【結論】家族はICUという特殊な環境で戸惑いや不安を感じており、看護師は、意図的に家族と関わり、家族のニーズを把握し、児と家族にとってより良い時間を過ごせるよう援助を進めることが必要である。