第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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シンポジウム(多領域専門職部門)

シンポジウム3(多領域専門職部門)
小児心疾患-術中の麻酔と人工心肺管理 up to date-

Sat. Jul 18, 2015 10:30 AM - 12:00 PM 第7会場 (1F シリウス)

座長:
安永 弘 (聖マリア病院)
仁尾 かおり (三重大学)

III-TRS3-01~III-TRS3-04

[III-TRS3-04] チーム医療で安全で質の高い手術を提供する~小児心臓外科手術における看護師と多職種連携~

権守 礼美 (神奈川県立こども医療センター 看護局 小児看護専門看護科)

手術室における看護は、患者が麻酔下にある時に実施されることが多く、また閉鎖的で特殊な場での治療であることから、手術室看護の意義や価値が見いだせず、また同じ看護職からも理解されにくいために「手術室には看護がない」と看護師の言葉を耳にすることがある。しかし、医療が高度になるにつれ、手術室看護師の位置づけは一体どのようなものであるか、“いま”の医療の現場では問われることが少なくないと思われる。
手術室看護師は、麻酔・手術手順・器械や機材の種類と用途・人体の解剖など専門的な知識と、その知識に裏付けられた技術が求められる。また手術の経過は予断を許さず、緊急事態になる可能性も高いことから、知識や技術だけでなく、倫理性も求められる。そのため、手術患者に対する多職種によるチーム医療の実践において、手術室看護師の役割は大きい。近年のハイレベルな小児心臓外科手術においてもチーム医療は不可欠のものである。各専門職とのパートナーシップを発揮しながら、チームワーク作りやマネジメント能力を発揮し、術者や麻酔科らが精神的にも安心して、安全で質の高い手術を提供できることに専念できるようにしなければならない。これが看護師の責務である患者の擁護者として患者の安全を守ることにつながっている。
今回は、出生直後の左心低形成症候群におけるハイブリッド手術でのチーム医療の実際から、1.小児心臓外科手術の看護師教育における心臓外科医との連携 2.器械だし看護師と外回り看護師のパートナーシップ 3.手術室看護師と多職種の連携 ①心臓外科医 ②循環器内科医 ③麻酔科医 ④新生児科及び産科 ⑤臨床工学技師 ⑤病棟看護師 4.カンファレンス開催とシミュレーション における多職種連携を中心とした具体的な看護実践とその効果、そして課題を挙げ、小児心臓外科手術における安全で質の高い医療を提供するための手術室看護師の位置づけと役割を述べてみたい。