第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

要望演題

3-01 その他

要望演題13
右室流出路再建

2015年7月18日(土) 09:00 〜 09:50 第4会場 (1F ジュピター)

座長:
麻生 俊英 (神奈川県立こども医療センター)
西垣 恭一 (大阪市立総合医療センタ-)

III-YB13-01~III-YB13-05

[III-YB13-02] 純型肺動脈閉鎖症に対する外科的治療戦略

宮崎 隆子, 山岸 正明, 前田 吉宣, 山本 祐介, 加藤 信康, 浅田 聡 (京都府立医科大学小児医療センター 小児心臓血管外科)

キーワード:PA/IVS, 外科治療, 治療戦略

【目的】純型肺動脈閉鎖症(PA/IVS)は右室形態、三尖弁輪径(TVD)、類洞交通(SC)合併の有無により多彩な病態を呈することが特徴で、個々の病態に応じて長期予後を見据えた治療戦略を立てることが肝要である。二心室修復(BVR)の条件として1.右室形態が3成分、2.主要SCなし、3.右室拡張末期容積(RVEDV)、4.TVDに加え5.三尖弁形態が重要である。境界域をRVEDV>70%N、TVD>70%Nとし、三尖弁形態が良好で右室拡大可能例では肺動脈弁切開術のみでなく右室overhaulと右室流出路拡大形成術、三尖弁形成術(TVP)を併施した一期的根治手術を目指し、境界域症例ではBT shuntのみを先行し二期的手術(BVRあるいは一心室修復(UVR))を行う方針とした。本治療戦略の有用性につき後方視的に検討した。【対象・方法】2000~14年に外科的治療を施行したPA/IVS 13例(BVR 5例、UVR8例)。One and one-half 術施行例なし。経皮的肺動脈弁形成術先行例なし。BVR群では一期的根治術3例(手術時年齢1.5±0.4ヶ月、体重3.2±0.1kg)。二期的根治術2例(初回手術時年齢1.6±1.0ヶ月、根治術年齢16.8±9.3ヶ月/体重9.5±2.0kg)。根治術時にTVP施行3例。UVR群ではSC合併7例。【結果】初回手術からの経過観察期間6.3±5.0年。BVR群では早期・遠隔期死亡0。再手術は二期的根治術施行の1例でTSRに対し根治術後8.3ヶ月で三尖弁置換術施行。根治術前後のRVEDV%Nは66.4±28.1→141.5±19.1、severe TRは術前1例、術後0。 不整脈合併例なし。UVR群では早期死亡1例(初回BTs術後SC盗血による急性循環不全)、遠隔期死亡0。EC-TCPC到達6例、BCPS待機1例。TCPC後の中心静脈圧は13.8±2.5mmHgで蛋白漏出性胃腸症などの合併症を認めず。 【考察】右室形態、TVD、SC合併の有無等に基づいた治療戦略によるPA/IVSの外科的治療成績はほぼ満足のいくものであり、本治療戦略の妥当性が示唆された。RF wire導入による内科治療との連携によりBVR到達可能例の増加が今後望まれる。