[III-YB13-03] 多発性末梢性肺動脈狭窄の治療方針
Keywords:末梢性肺動脈狭窄, ハイブリッド治療, 経カテーテル的血管形成術
【背景】多発性末梢性肺動脈狭窄は、遺伝性症候群や他の先天性心疾患に合併することが稀ではない。自然緩解が期待される例から手術介入が困難な例まで重症度は様々であり、介入方法や時期については一定の見解が得られていない。
【目的・方法】多発性末梢性肺動脈狭窄の多様性・適切な治療方針・予後を明らかにするために、1985~2014年に当院で経験した18例について、診療録を用いて後方視的に検討した。
【結果】確定した遺伝性疾患は、Williams症候群5例、Alagille症候群2例で、11例では異常を指摘できなかった。合併病変は、大動脈弁上狭窄10例、ファロー四徴3例、動脈管開存2例、大動脈肺動脈窓・大動脈弓離断複合・右室低形成各1例であった。狭窄部位は、type1(狭窄部位1箇所)は検討から除外、type2(主肺動脈分岐部狭窄)6例、type3(両側肺動脈遠位部多発狭窄)2例(左肺動脈欠損合併1例)、type4(両側肺動脈近位部狭窄を含む多発狭窄)10例であった。治療方針は、Type2:外科手術のみ2例、外科手術+経カテーテル的血管形成術1例、経過観察3例。Type3:外科手術+経カテーテル的血管形成術1例、経過観察1例。Type4:外科手術のみ2例、外科手術+経カテーテル的血管形成術3例、経過観察5例。経カテーテル的血管形成術の内容は、ステント留置+バルーン血管拡張術2例(うちハイブリッド治療1例)、バルーン血管拡張術+バルーン弁拡張術1例、バルーン血管拡張術のみ2例であった。1999年にカテーテル検査中に急変しその後死亡した1例を経験した。経カテーテル的血管形成術では、病変によりY-ステント法、開胸主肺動脈アプローチを選択し、全例で有効であった。
【考察】多発性末梢性肺動脈狭窄の半数以上は遺伝性症候群を指摘できず、また大動脈弁上狭窄を合併していた。治療介入必要例において、肺門部より末梢側の複雑な狭窄病変では、外科手術と経カテーテル的血管形成術の組み合わせがより有効な治療になると考えた。
【目的・方法】多発性末梢性肺動脈狭窄の多様性・適切な治療方針・予後を明らかにするために、1985~2014年に当院で経験した18例について、診療録を用いて後方視的に検討した。
【結果】確定した遺伝性疾患は、Williams症候群5例、Alagille症候群2例で、11例では異常を指摘できなかった。合併病変は、大動脈弁上狭窄10例、ファロー四徴3例、動脈管開存2例、大動脈肺動脈窓・大動脈弓離断複合・右室低形成各1例であった。狭窄部位は、type1(狭窄部位1箇所)は検討から除外、type2(主肺動脈分岐部狭窄)6例、type3(両側肺動脈遠位部多発狭窄)2例(左肺動脈欠損合併1例)、type4(両側肺動脈近位部狭窄を含む多発狭窄)10例であった。治療方針は、Type2:外科手術のみ2例、外科手術+経カテーテル的血管形成術1例、経過観察3例。Type3:外科手術+経カテーテル的血管形成術1例、経過観察1例。Type4:外科手術のみ2例、外科手術+経カテーテル的血管形成術3例、経過観察5例。経カテーテル的血管形成術の内容は、ステント留置+バルーン血管拡張術2例(うちハイブリッド治療1例)、バルーン血管拡張術+バルーン弁拡張術1例、バルーン血管拡張術のみ2例であった。1999年にカテーテル検査中に急変しその後死亡した1例を経験した。経カテーテル的血管形成術では、病変によりY-ステント法、開胸主肺動脈アプローチを選択し、全例で有効であった。
【考察】多発性末梢性肺動脈狭窄の半数以上は遺伝性症候群を指摘できず、また大動脈弁上狭窄を合併していた。治療介入必要例において、肺門部より末梢側の複雑な狭窄病変では、外科手術と経カテーテル的血管形成術の組み合わせがより有効な治療になると考えた。