[III-YB15-04] Partial anomalous pulmonary venous connection(PAPVC)修復術;Williams法後の一過性洞機能低下についての検討
Keywords:部分肺静脈還流異常, 洞機能不全, Williams法
【背景】PAPVCは主に右肺静脈の1-3本がsuperior vena cava(SVC)、SVC-right atrium(RA) junction、RAに還流し、その80%にASDを合併する。その修復術の一つとしてSVCを異常肺静脈上部で離断しRA appendageに吻合させ、右房へ流れてくる肺静脈血をASDを介して左房へ還流させるWilliams法が知られているがその周術期ならびに術後遠隔期においての洞結節機能の経過についてはあまり知られていない。【目的】Wiliams法における術後の洞結節機能ならびに合併症について調査すること【対象】2007年4月~2014年12月においてWilliams法を行ったPAPVC 7例【方法】診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】1)症例7例(男3例、女4例) 年齢:4歳3ヵ月(7ヵ月‐7歳1ヵ月) 体重:14.1kg(6.5-20.5kg)。2)観察期間2年11ヵ月(21日‐5年5ヵ月)。3)全例RPV-SVC connection。4)死亡例なし。術後再手術例、インターベンション介入例なし。5)経過中のSVC狭窄、肺静脈狭窄なし。周術期に胸水貯留2名。6)術前の不整脈なし。術後7例中5例がポンプ離脱後よりJunctional rhythm(JR)となり一時ペーシングを要したが、術後3-10日でsinus rhythm(SR)へ復帰し以後SRを維持。7)1例に術後9カ月時に電気整理検査を行ったが、洞結節機能は異常なかった。【結語】Williams法の周術期に一過性のJRを発症する症例が一定数存在するが、その後の回復は良好であり中期的には洞結節機能は問題ないと思われる。長期経過については今後もデータの蓄積を要する。