第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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教育セミナー(多領域専門職部門)

教育セミナー1(多領域専門職部門)
静注用エポプロステノールの導入と管理のコツ

Fri. Jul 17, 2015 2:40 PM - 3:25 PM 第7会場 (1F シリウス)

座長:
岩朝 徹 (国立循環器病センター)
松﨑 陽子 (岡山大学病院)

TRES1-01~TRES1-03

[TRES01-02] エポプロステノール持続静注療法を導入する患者・家族への指導

長 順子, 樋口 明希, 土谷 朋子, 森田 典子 (東邦大学医療センター大森病院 小児病棟)

肺動脈性肺高血圧症は発生頻度が極めて稀な疾患であり、エポプロステノール持続静注療法(以下、持続静注療法とする)が治療の選択肢の一つである。当病棟では、持続静注療法の導入を目的として入院する患者を全国各地から受け入れている。持続静注療法を行う患者・家族は、膨大な知識を習得しなければならないことに加え、毎日の薬剤作成と厳密な薬剤交換、携帯型精密輸液ポンプの操作など細かい医療処置を覚えることが不可欠である。しかし、症例数が少ない疾患であり、患者・家族に対する指導のガイドラインはなく、各施設で独自に指導をすすめている現状にあるといえる。そこで今回は、当病棟の患者・家族への指導および看護師指導の取り組みについて報告し、今後のケアについて検討していきたい。患者・家族指導は、医師・看護師・ CLS(Child Life Specialist)が協働し、カンファレンスを実施しながらすすめている。実際の指導では、統一した指導が行えることを目的として、指導用パンフレットと手技習得チェックシートを使用している。指導をすすめるうえで、手技習得のためのトレーニングは長時間に及ぶことが多いこと、医療機器の取り扱いに不慣れなことにより、患者・家族のストレスの増大や入院の長期化を経験した。そこで、患者・家族の負担軽減と計画的で効率的な指導を行うことを目的として、指導予定表を作成した。今後は、患者・家族の指導時に指導予定表を使用し、手技習得の順番や指導期間を再検討する予定である。看護師指導としては、医師や在宅医療支援業者、医薬品会社、他部署との連携を図った勉強会を毎年行っている。また、新人教育スケジュールパスのなかに、先輩看護師による知識や手技習得の確認を組み混んで計画的に指導している。この取り組みにより、当病棟の全看護師は、持続静注療法に関する一定の知識と技術を担保している。