第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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教育セミナー(多領域専門職部門)

教育セミナー2(多領域専門職部門)
心臓移植におけるドナーおよびレシピエント・コーディネーターの役割

Sat. Jul 18, 2015 8:55 AM - 9:35 AM 第7会場 (1F シリウス)

座長:
久保田 香 (大阪大学)
添田 英津子 (慶應義塾大学)

TRES2-01~TRES2-02

[TRES02-02] レシピエントコーディネーターの役割と実際 ~レシピエントコーディネーターって何する人?~

遠藤 奈津美 (東京女子医科大学 移植支援室)

移植医療においては、提供者である「ドナー」と受容者である「レシピエント」の2者が必ず存在しています。心臓移植レシピエントコーディネーターは、おおまかにいうと、レシピエントとなる患者、家族に対して、移植に関わる全ての時期に関して支援を行っていく役割を持っています。心臓移植は、脳死からの臓器提供に限られるため、待機期間が長く、予定手術をすることができません。また、長期間の待機を乗り越えて移植を実施したあとも、生涯にわたり免疫抑制療法が必要であり、その間様々な合併症を抱えることも少なくありません。このような現状で、レシピエントコーディネーターは移植手術にのぞむ患者、家族に対し、移植という治療を希望するかどうかという意思決定の段階から支援をはじめます。また、患者には長期にわたる待機から移植後への流れのなかで、その時々の状況に合わせた様々な治療が行われるため、非常に多くの医療職種が介入してきます。そして皆同じ目的を持っています。それは、「心臓移植まで患者の病状を良好な状態で維持する」、あるいは「移植心を安定させつつ合併症をコントロールする」です。このように、レシピエントを取り巻く医療チームは非常に大きくなる場合があり、患者、家族-医療者間、医療者-医療者間の調整を行うのもレシピエントコーディネーターの重要な役割となります。更に、小児期、若年期にあるレシピエントの場合には、家族や医療者だけでなく、患者をとりまく地域のコミュニティとの調整も必要となります。本セミナーでは、レシピエントコーディネーターの実際の活動を提示しつつ役割を整理していくことで、レシピエントコーディネーターが具体的にどんなことをしているのかを理解していただき、心臓移植を必要としている患者、家族の支援への連携を深めていきたいと思います。