The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

第13回教育セミナー

第13回教育セミナー(13ES)
ステップアップ:不整脈・房室弁

Fri. Jul 8, 2016 3:00 PM - 6:00 PM 第A会場 (天空 A)

座長:
鎌田 雅博(広島市立広島市民病院 小児循環器科)
河田 政明(自治医科大学 とちぎ子ども医療センター・成人先天性心疾患センター)

13ES-01~13ES-06

3:00 PM - 6:00 PM

[13ES-01] ステップアップ:不整脈 12誘導でここまで読みたい不整脈

岩本 眞理 (済生会横浜市東部病院 こどもセンター)

【はじめに】 不整脈の診断において12誘導心電図は診断や機序解明に有用です。不整脈があれば誘導を選んで(1誘導)長めの心電図記録で不整脈の発生状況をみます。このリズムストリップは重要ですが12誘導心電図の情報と合わせて初めて十分な情報が得られます。12誘導心電図からみる不整脈について大きく2つに分けて解説します。初めは記録中に不整脈が出現している場合、次に記録中には不整脈が出現していない場合です。
【12誘導心電図記録中に不整脈のある場合】
 出現頻度の多い不整脈では不整脈中の12誘導心電図記録が可能で、多くの情報をもたらします。期外収縮(上室・心室)の起源、単形性か多形性かの判別、上室頻拍における心房と心室の関係、心房頻拍の起源、心室頻拍の起源・単形性か多形性かの判別などを行います。そうして実際に記録された不整脈を細かく解析して次の検査計画や治療方針を決めます。
【12誘導心電図記録中に不整脈が出現していない場合】
不整脈があっても頻度が少なく(多くは発作性)、通常は洞性脈である場合です。これは12誘導心電図で不整脈基質の診断を行います。WPW症候群がその代表疾患ですが、副伝導路によりδ波があり発作性上室頻拍をおこす可能性があります。また遺伝性不整脈としてQT延長症候群、Brugada症候群などは心室細動をおこす場合があります。これも12誘導心電図が必要で、学校心臓検診の一次検診で推奨されています。基礎心疾患(心筋炎・心筋症・虚血性心疾患・先天性心疾患・心臓手術後など)に伴う不整脈においても異常Q波・脚ブロック・STT変化などに注目します。
【結語】12誘導心電図は様々な情報を提供するので、細かく診ることが重要です。また不整脈出現時・運動負荷時の情報、遺伝性不整脈では記録時期や時間帯を変えた複数回記録も有用です。