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[EL01-01] 致死性遺伝性不整脈の遺伝子診断と治療
分子生物学の進歩により、致死性不整脈疾の多くが心筋の活動電位を形成するイオンチャネルとこれに関連する細胞膜蛋白、調節蛋白などをコードする遺伝子上の変異によって発症することが判明し、遺伝性不整脈またはイオンチャネル病と呼ばれている。代表的疾患である先天性QT延長症候群(LQTS)では、遺伝子型と表現型の関連が詳細に検討され、遺伝情報に基づいた生活指導や治療が実現していることから、すでに保険診療が承認されている。遺伝性不整脈には、先天性LQTSの他に、薬剤などを原因とする後天性(二次性)LQTS、Brugada症候群、進行性心臓伝導欠損(PCCD)、カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT)、QT短縮症候群、家族性徐脈症候群、早期再分極症候群(ERS)などが含まれる。本教育講演では、遺伝性不整脈の代表である先天性LQTSと、最近、J波症候群として扱われているBrugada症候群とERSについて、最新の話題を提供する。一方で近年、次世代シーケンサを用いた網羅的全ゲノム解析や全エクソン解析、あるいはゲノムワイド関連解析(GWAS)の高速化と低コスト化が進み、遺伝子診断は新しい展開を迎えている。本講演では、これらの新しい診断法を用いた遺伝性不整脈の最新データについてもお話ししたい。