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[I-OR101-01] 極低出生体重児(<1500g)の先天性心疾患の実態-多施設研究-
キーワード:極低出生体重児、先天性心疾患、疾患分布
背景:以前我々は当院の先天性心疾患(CHD)を有する極低出生体重児(VLBWI)の実態を報告した。しかし症例数が少なく、日本の実態は反映しているとは言い難い。目的:日本のCHD合併のVLBWIの実態を明らかにすること。方法:全国NICUに調査票を配布し、2006-2010年に出生したVLBWIのアンケート調査を行った。CHD合併、非CHD合併例の総数、CHD合併例では在胎週数、染色体異常、心外奇形の有無、治療内容、転帰を調査した。当院の非CHD合併例をコントロールとし、比較検討した。結果:12施設の回答を得られた。VLBWI 総数3237名のうちCHD128名で、頻度は3.6%だった。CHD内訳は心室中隔欠損症(42.2%)、ファロー四徴症(10.2%)、大動脈縮窄症(単純、複合を含む、10.2%)、両大血管右室起始症(9.4%)が多かった。染色体異常、心外奇形はCHD群で有意に高率だった(45.3%、50% vs. 1.9%、8.3%、p<0.05)。外科的治療は51名(39.8%)で行われ、初回治療が手術だった症例は44名(37.0%)で、カテーテル治療は7名(BASを含む)だった。染色体異常で外科的介入をしなかった症例は30名(%)いた。初回手術で最終手術を施行したのは15名、姑息術は33名で、姑息術後に19名が最終手術に到達し、4名が未到達であり、最終手術到達率は70.8%だった。観察期間も2015年までに68名が生存、48名が死亡、12名が不明で、死亡率41.4%でコントロールより高率だった(14.3%)。術後死亡例は9名で、全て姑息術後例だった。手術介入例の死亡率は17.6%だった。結語:本邦で報告されている一般のCHD の頻度1.06%よりVLBWIのCHDの頻度はより高く、外科的介入を要する症例が多い。また染色体異常、心外奇形を高率に合併する。その奇形症候群のため介入していない症例が多数存在し、非CHD合併のVLBWIよりは予後不良で、管理の難しさが示唆された。