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[I-OR105-03] ニ心室治療可能であった左心系低形成症例について
キーワード:二心室治療、左心低形成、肺動脈絞扼術
【序文】ClassicalHLHS(MA,AA)症例に対しては機能的根治術であるFontan手術を目指す戦略が一般的である。様々な程度の左心系低形成症例に対して、二心室治療か単心室治療かの判断はcontroversialである。内科的・外科的治療により左心系構造物の成長が得られる可能性もあり様々な戦略が考えられる。【目的・方法】当院で施行した二心室治療可能であった左心系低形成症例について姑息手術、カテーテル治療(根治手術前)、左心系構造物サイズの変化、現在の問題点を検討した。【診断】HLHS variant 3、CoA/VSD 1、severe MS/CoA 1。【結果】症例数5(男5)。姑息手術(4例):Bilateral PA banding 4、ASD semiclosure 2。Cortriatriatum repair 1。カテーテル治療(1例):Bil PABに対するバルーン形成術2。左心系構造物サイズの変化(% of normal:エコーでの計測):左室拡張末期径58±14%→83±24%、僧帽弁輪径62±13%→84±28%、大動脈弁輪径60±15%→88±6%。術後の問題点:僧帽弁逆流(中等度)、肺静脈狭窄、僧帽弁狭窄+中等度肺高血圧【考察】左心系の成長を得るためには心房間血流と肺血流の調節が必要である。肺血流の調節にBil PABは非常に有用であり、手術後早期ならカテーテル的バルーン形成術での血流増加も期待でき、また体重増加の為の期間も確保でき弁治療などの可能性も出てくる。自然閉鎖が期待できない心房中隔欠損には心房間圧差を3mmHg程度残存するようにsemiclosureを行なっている。重症MS症例については肺高血圧が残存しており今後の治療については検討が必要である。