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[I-OR106-02] 肺循環の形態と機能の評価 -肺血流シンチグラフィーと造影CTとのFusion Image-
キーワード:Fusion Image、肺循環、肺血流シンチグラフィー
【はじめに】成人領域での急性冠症候群治療では従来の血管径・狭窄率を基とした治療血管選択から心筋血流シンチグラフィーやfractional flow reserveを用いた血流情報を基としたものへと変わりつつある。小児領域では末梢性肺動脈の治療の際に肺血流シンチグラフィー(以下LP)や造影CTを基として治療を行っていたが、十分に活用されているとは言い難い状況である。われわれはLPと造影CTのfusion imageを基とした肺循環評価の確立を目指している。【目的】LPと造影CTのfusion Imageによる肺循環評価の有用性と課題ついて検討すること。【対象・方法】対象はfusion image作成を試みた8例のべ15検査。LPはBright View X with CT(Philips社製)、造影CTはAquilion 64(東芝社製)、造影剤は1-2ml/kgを使用した。両者から得られた情報をwork station(Ziostation2(ザイオソフト社製))上で合成し、fusion Imageを作成した。作成状況についての評価および得られた情報と基となった検査(LP、造影CT)単独との比較を行った。【結果】15件中14件(93%)でfusion imageは作成可能であった。作成に要した時間はおよそ30分であった。Fusion不可であった症例はLP時の体動が大きかった症例であった。単独の検査と比較しより有用であると考えられたのは主要大動脈肺動脈側副血行路(MAPCAs)症例に施行したものであった。【考察】作成されたfusion imageでは造影CTで描出される血管に合わせてLP由来の肺血流情報を提示することが可能であった。これまでLPと造影CTをそれぞれに診断し、脳内で補完していたものを同時に描出することで、従来熟練者のみならず、修練医・家族との問題意識の共有、説明などに有用と考えられた。特にMAPCAsの症例ではLPでの肺区域は正常と異なり、造影CTでの直接的な血管を同時に描出することで理解が深まると考えられた。【結語】LPと造影CTとのfusion imageは肺循環に対する治療前後の評価、理解共有などに有効である。