第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

画像診断2

一般口演1-07(I-OR107)
画像診断2

2016年7月6日(水) 11:05 〜 11:55 第E会場 (シンシア ノース)

座長:
富松 宏文(東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)

I-OR107-01~I-OR107-05

11:05 〜 11:55

[I-OR107-01] 3D心エコーデータからの3D printingに向けた試み

橋本 郁夫1, 伊吹 圭二郎2 (1.富山市民病院 小児科, 2.富山大学医学部 小児科)

キーワード:3次元心エコー、3Dプリント、弁構造

背景:近年,3D CT画像データを用いた3D printingの報告が散見される。CTは臓器全体を造形化するには有用であるが、房室弁などの描出は必ずしも容易ではない。今回、3D心エコーデータから3D printingを目的とした画像処理に関して検討した。対象と方法:経胸的および経食道的な方法で、各々フィリップス社製EPIQ7およびiE33を用い可能な限り高解像度の画像が得られるようにMulti-beatスキャン(4-6心拍)にて3次元心エコーデータを得た。その後得られた心エコーデータをQLAB10.4を用いて最も良好と思われる画像から3D printingのための3Dデータを作製した。得られた3D心エコーデータ(正常僧帽弁画像 11才男児および正常大動脈弁 2才女児)をマテリアライズジャパン社製画像診断装置Mimics Innovation Suiteを用い、3次元空間上で画像化した。結果:いずれの画像も心エコーの3Dデータとしては良好で十分に診断に耐えうる画像であった。しかし、3D printingのための3次元空間上でのデータは1) 弁腹の画像情報は欠損してしまう 2) 3次元空間上弁構造上の連続性が必ずしも保たれていない。3)ノイズが多く、情報の欠落が多い、という結果であった。考察および結語:現時点における心エコーを用いた3次元画像は、CT画像に比べると画像信号が弱く、そのためノイズに埋没してしまい、心エコー画像としては捉えられる情報が3D printingのための画像としては欠落してしまう。また、3D心エコー法は十分な解像度を得るためにMulti-beats でスキャンする限りstitching artifactを避けることが不可能であるため部位により不連続な画像情報となる傾向がある、など現時点では3D心エコーによる立体構築画像は実用レベルには至っていないが、今後の改良に向けての問題点は具体化できた。