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[I-OR118-05] トレッドミルを利用した心肺運動負荷試験 心疾患小児におけるT-RAMP PROTOCOLの有用性
キーワード:心肺運動負荷試験、トレッドミル、T-RAMP PROTOCOL
【背景・方法】心肺運動負荷試験(CPX)は、運動耐容能の客観的評価法であり、QOLや生命予後の推定、運動処方決定に有用である。当院では、トレッドミルによるCPXを行っており、負荷法としてはBruce法(B法)を採用してきたが、運動量が段階的に増加するため、嫌気性代謝閾値(AT)等の運動耐容能指標の解析には不適であった。T-RAMP PROTOCOL(T-R法)は酸素摂取量(VO2)を直線的に増加するように傾斜、速度を変更するトレッドミルの運動負荷法であり、エルゴメータで行うランプ負荷と同様の負荷が行える方法とされている。今回我々は21名の小児心疾患患者を対象にT-R法とB法を用いたCPXを行い、両負荷法の整合性及び相違点を検討した。【結果(B法:T-R法、数値は平均)】peak VO2 (ml/kg/min) 34.6:32.2 (p<0.05), 最高心拍数 (bpm) 177:172 , 最高収縮期血圧 (mmHg) 145:143, 最大ガス交換比 1.20:1.16 (p<0.05), 期外収縮 (回) 5.0:2.6, ST変化 4例:5例, T-R法のVO2の一次回帰における決定係数は半数例で0.99を超えており、VO2漸増は直線的であることが示された。またT-R法の全例でAT(平均値 18.7ml/min/kg)、17例で呼吸性代償開始点 (RC)が解析可能であった(平均値 23.8ml/min/kg)。【考察】T-R法は心疾患小児においても直線的なVO2の増加が得られ、運動処方に必要なATの解析が行いやすいが、最大運動負荷量が小さくなりやすく、運動負荷の目的により、これらの負荷法を選択することが必要と考えられた。