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[I-OR119-01] Fontan患者の活動量に影響を及ぼす因子~循環動態~
キーワード:Fontan、カロリー消費量、1回拍出量
【背景】Fontan患者では一般的に適度な運動が推奨される傾向にあるが、循環動態に及ぼす影響や安全性に関してはまだ明らかでない。Fontan患者の日常の活動量や活動強度と循環動態の関連を知ることは非常に重要であると思われる。【目的】Fontan患者の日常の活動カロリー消費量(activity energy expenditure:AEE)と活動強度を測定し、循環動態との関連を明らかにする。【方法】Fontan患者41人(3.5-42.3歳、平均9.6歳)を対象に高精度携帯式行動量測定計を2週間持続装着してAEEを算出し、心臓カテーテル検査で得られた循環動態を表すパラメーター値と比較した。【結果】Fontan患者のAEEは237±95kcal/dayで、心拍数HR(84.7±17.4 bpm)と負の相関(p<0.01)、心拍出量CO(2.9±0.9 L/min), 1回拍出量SV(36.0±16.2 ml)と正の相関(CO p<0.05, SV p=0.01)を示した。さらに年齢で補正した多変量解析においてもAEEは有意な相関を示した(HR p<0.01, SV p=0.01)。これらは1日のカロリー消費活動の約7割の時間を占める軽度の活動レベル(1.0~3.0Mets)でより強い相関を示した(HR p<0.01、SV p<0.01 )。一方AEE とCVP、Qp/Qs、Rp、SpO2との相関はみられなかった。さらに、SV値と比してAEE値が高値を示した群は、そうでない群よりも血液検査における肝うっ血を反映するγ-GTP値が有意に高値(60.3±28.3 v.s. 41.7±26.8, p<0.05)を示した。【結論】Fontan患者の日常の活動量は主にHR、SVに影響を受けている可能性が示唆された。また、心拍出量に見合わない多い活動量は肝機能増悪につながる可能性が示唆された。