第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

成人先天性心疾患

一般口演1-22(I-OR122)
成人先天性心疾患

2016年7月6日(水) 14:30 〜 15:30 第B会場 (天空 センター)

座長:
立野 滋(千葉県循環器病センター 小児科)
山村 健一郎(九州大学病院 小児科)

I-OR122-01~I-OR122-06

14:30 〜 15:30

[I-OR122-03] Fontan術後女性の卵巣機能

松尾 久実代1, 稲村 昇1, 杉辺 英世1, 江見 美杉1, 田中 智彦1, 平野 恭悠1, 川口 晴菜2, 青木 寿明1, 河津 由紀子1, 萱谷 太1 (1.大阪府立母子保健総合医療センター 小児循環器科, 2.大阪府立母子保健総合医療センター 産科)

キーワード:Fontan、卵巣、妊娠

【はじめに】複雑心奇形に対する治療成績が改善し、Fontan術後患者が生殖年齢まで到達できるようになった。一方Fontan術後患者は月経が不規則であったり、流産の率が高いと報告されている。【目的】当院でのFontan術後患者の生殖内分泌機能に関して調査する【方法】14歳以上のFontan術後女児に対して生殖内分泌機能に対して質問紙調査を行い、当院の婦人科受診を勧めた。【結果】対象は30例であり、年齢は14-28歳(中央値18.5歳)であった。原疾患は右室型単心室11例、DORV5例、TA4例、TS1例、PAIVS3例、DIRV1例、Ebstein1例、cTGA1例であった。月経未初来が10人(33%)、月経初来している20例中19例が月経不順であった。月経未初来3例、月経不順4例にホルモン治療を要した。婦人科で卵巣機能を精査されている22例中14例は卵巣機能正常、8例(36%)が原発性あるいは続発性無月経であった。両群間での心機能、Fontan圧、酸素飽和度、フォンタン到達年齢などの比較を行ったが差は認めなかった。しかし、PLEを合併する無月経の1例は骨密度の著明な減少を認めた。計画外妊娠を2例に認め、1例は早産で出生、1例は他院でフォロー中である。【結語】正常女性の原発性無月経0.1-0.2%、続発性無月経2-5%と言われており、Fontan術後女性は無月経、月経不順を伴う症例が多い。このため、婦人科的治療介入が必要となる症例も多い。計画外妊娠を2例に認め、生殖年齢に達した児には本人への適切な教育、指導が大切である。生殖年齢に達したFontan術後女性は婦人科と連携したフォローが非常に大切である。