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[I-OR122-03] Fontan術後女性の卵巣機能
キーワード:Fontan、卵巣、妊娠
【はじめに】複雑心奇形に対する治療成績が改善し、Fontan術後患者が生殖年齢まで到達できるようになった。一方Fontan術後患者は月経が不規則であったり、流産の率が高いと報告されている。【目的】当院でのFontan術後患者の生殖内分泌機能に関して調査する【方法】14歳以上のFontan術後女児に対して生殖内分泌機能に対して質問紙調査を行い、当院の婦人科受診を勧めた。【結果】対象は30例であり、年齢は14-28歳(中央値18.5歳)であった。原疾患は右室型単心室11例、DORV5例、TA4例、TS1例、PAIVS3例、DIRV1例、Ebstein1例、cTGA1例であった。月経未初来が10人(33%)、月経初来している20例中19例が月経不順であった。月経未初来3例、月経不順4例にホルモン治療を要した。婦人科で卵巣機能を精査されている22例中14例は卵巣機能正常、8例(36%)が原発性あるいは続発性無月経であった。両群間での心機能、Fontan圧、酸素飽和度、フォンタン到達年齢などの比較を行ったが差は認めなかった。しかし、PLEを合併する無月経の1例は骨密度の著明な減少を認めた。計画外妊娠を2例に認め、1例は早産で出生、1例は他院でフォロー中である。【結語】正常女性の原発性無月経0.1-0.2%、続発性無月経2-5%と言われており、Fontan術後女性は無月経、月経不順を伴う症例が多い。このため、婦人科的治療介入が必要となる症例も多い。計画外妊娠を2例に認め、生殖年齢に達した児には本人への適切な教育、指導が大切である。生殖年齢に達したFontan術後女性は婦人科と連携したフォローが非常に大切である。