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[I-OR124-08] マシテンタンは肺血管新生内膜線維性閉塞病変を予防する:Sugen/Hypoxia肺高血圧ラットモデルでの検討
Keywords:肺高血圧、線維性閉塞血管、マシテンタン
【目的】エンドセリン受容体拮抗薬マシテンタンがSugen/Hypoxia肺高血圧(PH)ラットの肺血管線維性閉塞病変を予防できるかを検討した。【方法】PHラットはSugen5416(20mg/kg)単回皮下注射後、3週間の低酸素暴露を行い、以後は大気中で飼育し作成した。Sugen5416投与後5~8週の間、連日マシテンタン (30mg/kg/日)を胃管投与し治療した。治療終了後に心カテ、右室肥大、肺血管病理、肺組織の遺伝子発現を検討した。研究対象は、治療直前PH群、マシテンタン治療PH群、無治療PH群、正常対照群の4群(n=38)。統計解析はANOVA+Tukey多重比較ないしPearson相関係数を用いp<0.05を有意差ありとした。【結果】肺切片直径50μm 以下の全血管に対する新生内膜線維性閉塞病変の発現率は、治療直前PH群0.5±0.3%、無治療PH群5.5±2.1%(p<0.05 vs治療直前PH群)、マシテンタン治療PH群0.5±0.2%(p<0.05 vs無治療PH群)。閉塞血管面積に対する新生内膜の線維化面積率は、治療直前PH群6.1±0.9%、無治療PH群14.9±0.5%(p<0.05 vs治療直前PH群)、マシテンタン治療PH群6.1±1.1%(p<0.05 vs無治療PH群)であり、線維性閉塞病変発現率と線維化面積率ともに、有意にその予防効果を認めた。新生内膜線維性閉塞病変の発現は、右室収縮期圧(r=0.420、p=0.009)、右室肥大(r=0.504、p=0.001)、閉塞血管出現率(r=0.499、p=0.001)と相関関係を示した。肺組織の遺伝子発現はCollagen1a1において正常対照群に対する比率が、無治療PH群1.44±0.1 (p<0.05 vs正常対照群)、マシテンタン治療PH群1.42±0.1%(p<0.05 vs正常対照群)であり、無治療PH群とマシテンタン治療PH群に有意差はなかった。Fibronectin1は無治療PH群1.48±0.08 (p<0.05 vs正常対照群)、マシテンタン治療PH群1.13±0.06 (p<0.05 vs 無治療PH群)でありマシテンタン治療により有意に減少した。【結論】マシテンタン治療により肺高血圧ラットの新生内膜線維性閉塞病変を予防した。