8:40 AM - 9:30 AM
[I-OR126-01] 川崎病初回グロブリン投与後の時点でのハイリスク児選出の試み
Keywords:川崎病、ハイリスク、急性期治療
川崎病のIVIG不応例の予測スコアが報告されているが、グロブリン(GG)投与後のCAL予測も検討は少ない。方法 2008年から2016年までに8病日以内に入院し、川崎病典型例538例を対象とした。一施設における後方視的なケースシリーズ研究である。GG開始平均病日は4.9日であった。採血、治療は決められたプロトコールに従った。GG投与無しが31例、8病日以内GG投与有が505例であった。GG初回投与量は全例2g/kgであった。追加投与は177例、再追加投与は86例、再々追加例は29例であった。ステロイド使用例はなかった。6、7または8病日にGG2g/kg投与し、その翌日にGGを投与することを短期補充療法とした。GGを大量に投与しても、8、9病日の時点で熱が38.5度以上で、CRPが14mg/dl以上の例をスーパーハイリスク( SH )児とした。初回GG2g/kg投与し、全例に翌々日に血算、一般生化学を採血し、その日の昼以降37.5度以上の発熱がある場合、GG再投与を行った。GG投与開始日のCRP値(前CRP)と開始翌々日朝の採血のCRP値(後CRP)を比較した。結果 後CRP/前CRP比が1以上は39例であった。また後CRP/前CRP比が1未満であったが、後CRPの翌日のCRP値が後CRPよりも上昇している例は22例であった。これら合計61例(11.3%)をCRP再上昇例とした。CRP再上昇例のうち短期補充療法例は12例。SH例は8例、全例血漿交換療法を行った。急性期CAL例は26例(26/61)、30病日以降のCALは5例(5/62)、巨大瘤は1例であった。一方CRP非上昇例は444例であった。短期補充療法例は2例、SH例は無かった。急性期CAL例は60例(60/404)、30病日以降のCALは2例(2/404)であった。結論 GGを投与しても、炎症がおさまらない例や、後から炎症がflareする例がある。GG初回投与した翌々日とその次の日にCRP値を評価することにより、川崎病重症例の上位10%程度を選出できる可能性を示した。