第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

川崎病・冠動脈・血管1

一般口演1-26(I-OR126)
川崎病・冠動脈・血管-1

2016年7月6日(水) 08:40 〜 09:30 第D会場 (オーロラ イースト)

座長:
三浦 大(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

I-OR126-01~I-OR126-05

08:40 〜 09:30

[I-OR126-02] 初回ガンマグロブリン投与不応例の増加と冠動脈病変

鈴木 康夫1, 古田 貴士1, 岡田 清吾1,3, 三宅 晶子1, 木畑 鉄弘1, 長谷川 俊史1, 市原 清志2, 屋代 真弓4, 牧野 伸子4, 中村 好一4, 大賀 正一1 (1.山口大学大学院医学系研究科 小児科学分野, 2.山口大学大学院医学系研究科 保健学科領域, 3.JCHO九州病院, 4.自治医科大学公衆衛生学)

キーワード:初回ガンマグロブリン不応、冠動脈病変、ステロイド

【背景】川崎病は, 乳幼児期に好発する原因不明な全身性血管炎である. 重要な合併症として冠動脈病変がある. 高用量ガンマグロブリン静注(IVIG)+経口アスピリン療法は, 急性期の炎症を制御し冠動脈病変を減少させるが, IVIGに対する不応例が10-20%存在する. このような不応例に対して, 適切な治療法や治療層別化は未だ明確になっていない. 【方法】2003年から2014年にかけて山口県内で川崎病と診断された患児を全国調査から抽出し, 県内全小児病院への二次調査と照合して解析した. 【結果】川崎病患児1487名のうち男児873名, 女児614名, 月齢中央値は24か月であった. 年次患者数と初回IVIG不応例は増加していた(2003年6.7%から2014年23.2%). 調査対象期間中の死亡例はなかった. 発症1か月後, 24名に冠動脈病変(CAL)を認めた. ステロイド投与群のCAL形成は37名中10名(27.0%)で, 非投与群の1450名中14名(1.0%)と比較して優位に多かった(p=2.0×10-35). 多変量解析の結果, ステロイド投与, 追加IVIG, がCAL形成に関連した因子となった. 【結語】IVIG初回不応例は増加している. CALを減少させるために, 追加治療としてステロイド投与は推奨しにくい.