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[I-OR126-02] 初回ガンマグロブリン投与不応例の増加と冠動脈病変
キーワード:初回ガンマグロブリン不応、冠動脈病変、ステロイド
【背景】川崎病は, 乳幼児期に好発する原因不明な全身性血管炎である. 重要な合併症として冠動脈病変がある. 高用量ガンマグロブリン静注(IVIG)+経口アスピリン療法は, 急性期の炎症を制御し冠動脈病変を減少させるが, IVIGに対する不応例が10-20%存在する. このような不応例に対して, 適切な治療法や治療層別化は未だ明確になっていない. 【方法】2003年から2014年にかけて山口県内で川崎病と診断された患児を全国調査から抽出し, 県内全小児病院への二次調査と照合して解析した. 【結果】川崎病患児1487名のうち男児873名, 女児614名, 月齢中央値は24か月であった. 年次患者数と初回IVIG不応例は増加していた(2003年6.7%から2014年23.2%). 調査対象期間中の死亡例はなかった. 発症1か月後, 24名に冠動脈病変(CAL)を認めた. ステロイド投与群のCAL形成は37名中10名(27.0%)で, 非投与群の1450名中14名(1.0%)と比較して優位に多かった(p=2.0×10-35). 多変量解析の結果, ステロイド投与, 追加IVIG, がCAL形成に関連した因子となった. 【結語】IVIG初回不応例は増加している. CALを減少させるために, 追加治療としてステロイド投与は推奨しにくい.