The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

川崎病・冠動脈・血管1

一般口演1-26(I-OR126)
川崎病・冠動脈・血管-1

Wed. Jul 6, 2016 8:40 AM - 9:30 AM 第D会場 (オーロラ イースト)

座長:
三浦 大(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

I-OR126-01~I-OR126-05

8:40 AM - 9:30 AM

[I-OR126-05] 川崎病インフリキシマブ投与前後における炎症性サイトカインの検討

蜂谷 明1, 赤澤 陽平1, 元木 倫子1, 松崎 聡2, 小林 法元1, 小池 健一1 (1.信州大学医学部 小児医学教室, 2.まつもと医療センター中信松本病院 小児科)

Keywords:川崎病、インフリキシマブ、サイトカイン

【目的】川崎病におけるIFXのtumor necrosis factor alpha receptor I, II(sTNFR-I, II)とS100A12への作用を検討する。
【対象と方法】対象は2007年3月から2015年3月に当院でIFXを投与した川崎病IVIG不応例24例(1歳0ヵ月から7歳1ヵ月、平均3.0±1.6歳、男15、女9)。IFX投与前後において、21例でsTNFR、19例でS100A12を測定し、IFX反応群と不応群、冠動脈病変(CAL)合併群と非合併群にわけて比較検討した。
【結果】IFX投与前においてsTNFR-IはIFX反応群が1097±282pg/ml、不応群が1710±955pg/mlと有意差を認めた(p=0.013)が、sTNFR-IIおよびS100A12は差を認めなかった。IFX投与前後の比較ではsTNFR-I,IIいずれも有意に低下した(ともにp<0.0001)のに対し、S100A12は低下を認めなかった。冠動脈病変(≧3mm)の有無でわけた場合、病変あり群ではS100A12がIFX投与前後で増加傾向を認めたが差はなかった。冠動脈瘤(≧4mm)の有無でわけた場合、瘤あり群の3例は全例で上昇していたものの、値に有意差を認めなかった。
【考察】sTNFRの低下は、IFXによる炎症性サイトカインTNFaの抑制を示している可能性がある。また、sTNFR-IはIFX不応例の予測に有用と考えられた。S100A12についてはIFXの早期作用は明らかではなかった。S100A12の冠動脈瘤形成のマーカーとしての有用性については症例を集めて検討する必要がある。