The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

川崎病・冠動脈・血管-2

一般口演1-27(I-OR127)
川崎病・冠動脈・血管-2

Wed. Jul 6, 2016 9:35 AM - 10:25 AM 第D会場 (オーロラ イースト)

座長:
須田 憲治(久留米大学医学部 小児科)

I-OR127-01~I-OR127-05

9:35 AM - 10:25 AM

[I-OR127-04] 冠動脈奇形を伴わない小児の先天性心疾患における冠動脈拡張

東 浩二, 村上 智明, 白石 真大, 名和 智裕, 白神 一博, 小林 弘信, 永峯 宏樹, 中島 弘道, 青墳 裕之 (千葉県こども病院 循環器科)

Keywords:coronary、ectasia、norwood

【背景】先天性心疾患では冠動脈奇形を伴わなくとも冠動脈の拡張や蛇行を呈する症例を認めるが、その臨床像はほとんど分かっていない。【目的】冠動脈奇形のない先天性心疾患の小児例での冠動脈拡張の発生頻度や臨床的特徴を検討する。【対象】2006年1月から2015年12月に心臓カテーテル検査を行った7歳以下の心内修復術後症例の内、冠動脈奇形合併例ならびに川崎病既往例を除外した212例。二心室修復術後群(BVR群)が166例(78.3%)、フォンタン型修復術後群(TCPC群)が46例(21.7%)。【方法】大動脈造影または冠動脈造影を用いて冠動脈径を計測、3mm以上の血管径を呈したものを冠動脈拡張とし、他の臨床検査と併せて後方視的に検討した。【結果】冠動脈拡張例は12例(5.7%、BVR群、TCPC群ともに6例ずつ)、全例び漫性の拡張を呈し、拡張血管の分布は1枝のみ8例、2枝4例、3枝0例。単変量解析による有意な項目は、ノーウッド手術またはDKS手術の既往(p=0.001)、肺動脈絞扼術の既往(p=0.008)、TCPC群(p=0.02)、高い中心静脈圧(p=0.02)、抗血小板薬の使用(p=0.04)、高尿酸値(p=0.04)、年齢が高い(p=0.04)。多変量解析では、ノーウッド手術またはDKS手術の既往(p=0.0081、オッズ比7.89、95%CI1.75-35.53)、肺動脈絞扼術の既往(p=0.0092、オッズ比5.88、95%CI1.58-22.89)が有意な項目だった。サブグループでの多変量解析ではBVR群は、左室拡張末期圧、左室拡張末期容積比、BNPが、一方TCPC群は、ノーウッド手術またはDKS手術の既往、BNPと有意な項目が異なっていた。【結語】BVR群、TCPC群ともに冠動脈拡張を来たした症例を認めたものの、その機序は異なる可能性が示唆された。