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[I-OR128-01] 当科で経験した10歳以上の川崎病患者16例のまとめ
Keywords:年長児川崎病、10歳以上、随伴症状
【背景】川崎病の好発年齢は1-2歳であり、10歳以上での発症は稀である。【目的】10歳以上の川崎病患者の臨床的特徴について明らかにする。【対象、方法】年長対象:1995年から2015年までに当科で加療した、10歳以上の急性期KD患者16例。年少対照群:過去2年間に当科で加療した1-2歳の急性期KD、連続20例。主要症状、随伴症状、治療経過及びCAL合併について診療録から後方視的に検討した。比較はt検定、Mann-Whitney U検定及びFisherの直接法を用いて行った(P<0.05を有意とした)。【結果】年長群:年齢中央値12.0(10-19)歳、男女比7:9。年少群:年齢中央値1.9歳(1.1-2.9)、男女比12:8。発熱を除く急性期主要症状数は、年長群で中央値4(2-5)個で年少群5(3-5)個よりも有意に少なかった(P=0.013)。不全型は2/16例で年少群(2/20例)と有意差なし。診断病日の平均は7病日と年少群5.3病日に比べ遅い傾向だったが、有意差はなかった(P=0.11)。随伴症状は年長群9例で認め、消化器症状5例(胆嚢炎・膵炎が1例ずつ)、関節痛3例、睾丸炎1例であった。随伴症状を認めた患者割合は年長群で有意に高値だった(年少群1/20、P=0.0016)。消化器症状の有症状率は年長群で31%と年少群の5%と比べ多い傾向だったが、有意差はなかった(P=0.069)。初回IVIGは6例で2g/kg、6例で1g/kg、2例は1g/kg未満、2例で確定診断後IVIG前に自然解熱(比較群は全て2g/kg)。それぞれ1/6例、2/6例、2/2例でIVIG不応のため追加治療を要し、全例2rd line治療で解熱した。CALの合併頻度は3/16例で、比較群0/20例と有意差を認めた(P=0.017)。【結語】年長児の川崎病は随伴症状が多様であり、診断に際し注意を要する。また、既報通りCAL合併に注意した管理が必要である。