The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

学校保健・疫学・心血管危険因子

一般口演1-29(I-OR129)
学校保健・疫学・心血管危険因子

Wed. Jul 6, 2016 4:00 PM - 5:10 PM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
泉田 直己(曙町クリニック )
寺井 勝(千葉市立海浜病院 小児科)

I-OR129-01~I-OR129-07

4:00 PM - 5:10 PM

[I-OR129-04] 学校心臓検診の心筋症抽出に対する有効性の検討 -川崎市学校心臓検診と川崎市の三次検診指定病院での調査結果-

麻生 健太郎1, 水野 将徳1, 都築 慶光1, 後藤 建次郎2, 東 賢良3, 荒木 耕生4, 勝部 康弘5 (1.聖マリアンナ医科大学 小児科, 2.川崎市立多摩病院 小児科, 3.太田総合病院 小児科, 4.川崎市川崎市立病院 小児科, 5.日本医科大学武蔵小杉病院 小児科)

Keywords:学校心臓検診、心筋症、心筋疾患

【背景】学校心臓検診の心筋症抽出の効力は明らかでない。川崎市学校心臓検診では問診に心筋症の家族歴の有無を加え、家族歴が有り精査が行われていないものはすべて有所見者とし三次検診病院に紹介している。【目的】川崎市学校心臓検診の結果を再検討し検診の心筋症抽出の有効性を検討する。【方法】平成18~27年度に川崎市の公立小学校及び中学校1年生を対象に行われた心臓検診の結果から1)問診の心筋症の家族歴から三次検診対象となった人数と結果、2)三次検診指定病院で学童期以後に心筋症の診断がついた患者の発見のきっかけ、3)学校心臓検診での新規心筋症患者の発見に有効な方法について検討した。【結果】10年間の学校心臓検診受診者数は小学校1年生で118503名、中学校1年生で91868名。心筋症の家族歴から二次検診対象となったのは小1で133名、中1で157名。その内三次検診対象となったのは小1 で59名、中1で 66名。三次検診で何らかの心筋疾患の診断がついたものは小1 で1名、中1で 0名であった。10年間の心臓検診で心筋症の家族歴がなく心電図所見から何らかの心筋疾患の診断がついたものは小1で 1名、中1 で3名であった。三次検診病院で学童期以降に発見された心筋症患者で心臓検診が行われた年度以後に診断がついたものは3名(LVNC, RCM, DCMがそれぞれ1名)。全員心臓検診結果のフォロー中に心筋症の診断がついていた。心臓検診の心電図所見は WPW症候群, 左房負荷, QT延長で初回診察から心筋疾患の診断が確定するまでの期間は3, 5, 8年かかっていた。【考案】心臓検診での心筋症の抽出は心筋症家族歴からの抽出を含め精査を行ってもなお難しい。今回の検討から心臓検診の結果では心筋症は疑われないが、フォローの途中で心筋症の診断がつく場合も多いことが分かった。心臓検診で気になる所見がある場合は一度の診察で結論を出さず、長くフォローすることで心筋症抽出につながるのかもしれない。