第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

その他

一般口演1-30(I-OR130)
その他

2016年7月6日(水) 08:40 〜 09:30 第E会場 (シンシア ノース)

座長:
白石 裕比湖(城西病院 国際小児医療センター)

I-OR130-01~I-OR130-05

08:40 〜 09:30

[I-OR130-02] PICUにおける小児循環器疾患患者の医療安全の検討

藤原 優子1, 浦島 崇1, 河内 貞貴1, 伊藤 怜司1, 森 琢磨1, 藤本 義隆1, 河内 文江1, 馬場 俊輔1, 森田 紀代造2 (1.東京慈恵会医科大学 小児科学講座, 2.東京慈恵会医科大学 心臓外科講座)

キーワード:PICU、医療安全、標準手順

【背景】小児循環器疾患では新生児期より術前、周術期管理で集中治療を行うことが多い。特にPICUのある施設ではPICUで管理を行う。一方、集中治療では医療過誤があった場合、より改善に時間を要する。【目的】PICUでの医療安全を評価し、過誤の起こりやすい医療行為、改善方法を導出すること。【方法】2013年4月から2015年12月に小児循環器医・小児心臓外科医・PICU担当看護師により入力された小児循環器疾患でPICU入室例のインシデント・アクシデント報告を抽出した。インシデントレベル・事例内容・影響因子を検討した。本院の医療環境は集中治療部門ではPIMS、紙媒体カルテ、オーダリングシステムである。【結果】報告件数は小児循環器医11件、心臓外科医9件、看護師36件、53事例である。小児循環器医報告のうち5件はレジデントであった。インシデントレベルはレベル5 1件、レベル3b 7件、レベル3a 3件、レベル2 12件、レベル1 28件、レベル0 2件である。内容では点滴・ドレーンなどのチューブトラブル17件(うち三方活栓関連6件)、合併症12件(うち褥瘡10件)、点滴誤投与7件、患者間違え5件、与薬ミス5件である。褥瘡は全例2013年度の事例であった。前述はいずれも乳幼児である。口頭指示が関連した事例は1件、業務中断が影響した事例は4件である。患者間違え5件はいずれもレベル2以下である。何らかの標準手順の逸脱があったのは32件であった。【結論】病院全体でチューブトラブルワーキンググループを活動しているものの、小児循環器疾患のインシデントアクシデントレポートではチューブトラブルは多い。合併症の褥瘡は麻酔科を含んだ医師・看護師により減少した。60.3%の事例に標準手順の逸脱があったことよりまず標準手順の遵守から対応すべきである。