The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

外科治療遠隔成績1

一般口演2-03(I-OR203)
外科治療遠隔成績1

Wed. Jul 6, 2016 9:45 AM - 10:45 AM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
益田 宗孝(横浜市立大学 外科治療学)

I-OR203-01~I-OR203-06

9:45 AM - 10:45 AM

[I-OR203-01] Jatene術後中期から遠隔期までの心エコー所見から見た大動脈弁閉鎖不全発生要因

指宿 知子1, 松原 宗明1, 阿部 正一1, 加藤 愛章2, 高橋 実穂2, 堀米 仁志2, 平松 祐司1 (1.筑波大学医学医療系 心臓血管外科, 2.筑波大学医学医療系 小児科)

Keywords:Jatene手術術後、大動脈弁閉鎖不全症、大血管転位症

【背景】大血管転位症(TGA)に対するJatene術後の主要な合併症として、大動脈弁閉鎖不全症(AR)がある。しかし術前後のいかなる要素がARと関連し、いつARが発生するのかは未だ明らかでない。Jatene術後5年以上経過した28人の心エコー所見を、後方視的かつ経時的に調べた。【方法】附属病院および関連施設で2000年~2010年にJatene手術を行われた28人のうち、術後5年以上経過した22人を対象に、術前所見とARの関連、経時的なエコー所見の変化とARの関連について検証した。【結果】最新のエコー所見では、ARなし9人、I度4人、II度8人、III度1人、IV度0人であった。ARをI度以下とII度以上の2組に分けて比較すると、術前に大動脈縮窄症(CoA)、右室流出路狭窄(DORV)が認められた症例、またTGA I型よりもII型でARのリスクが高い傾向にあった。またAR II度以上の症例では、A弁輪径、valsalva洞の径は、一貫してAR I度以下の症例より大きい傾向があった。AR II度以上の症例では左室駆出率(EF)が経時的に低下していく傾向があり、左室拡張末期容積(LVEDV)は徐々に増加するもののAR II度以上とI度以下の症例で差はなかった。【結論】Jatene術後のARを経時的に心エコー所見で追った研究は少なく、今回特にA弁輪径、valsalva洞の径に注目して最長14年の経過を追った。遠隔期のARが強い症例では術後早期からA弁輪径、valsalva洞径が拡大している傾向がみられ、EFは経時的に低下していた。CoA、DORV、TGA II型は遠隔期AR発症のリスクファクターである可能性が示唆された。