10:20 〜 11:50
[I-S03-05] 小児心不全におけるβブロッカーの使い方
βブロッカーは、心不全治療には欠かせない薬物のひとつである。成人(JCS 2010)および小児(ISHLT 2014)の心不全治療ガイドラインにおいても、左室駆出率が低下した心不全の薬物療法として推奨されている。
左室駆出率が低下した心不全では、交感神経の活性化と血中カテコラミンの増加を伴い、心筋細胞のβ受容体のdown-regulationと反応性低下が存在する。βブロッカーは、この変化を改善し、β受容体の感受性を回復させる。ただし、元来βブロッカーは心収縮を低下させ、心拍数を減少する薬理作用をもつため、心不全に使う際には、少量から開始し評価しながら慎重に漸増する必要がある。水分管理やPDE3阻害薬による強心作用を併用しながら導入することも考慮する。小児における投与適応基準、投与開始のタイミングと増量速度、至的投与量や目標心拍数についてはまだ不明な部分も多い。またresponderとnon-responderが存在し、最近アドレナリン受容体の遺伝子多型と薬剤反応性との関連を示唆する報告があり、今後の研究が待たれる。
一方、左室駆出率が保たれている心不全、右心室の機能不全、単心室形態の機能不全に対するβブロッカーの効果については、有効例の報告はあるものの未だ議論のあるところであり、エビデンスとして確立したものはない。この領域におけるβブロッカーの使い方も今後の課題である。βブロッカーの基本的な使い方を紹介し議論を深めたい。
左室駆出率が低下した心不全では、交感神経の活性化と血中カテコラミンの増加を伴い、心筋細胞のβ受容体のdown-regulationと反応性低下が存在する。βブロッカーは、この変化を改善し、β受容体の感受性を回復させる。ただし、元来βブロッカーは心収縮を低下させ、心拍数を減少する薬理作用をもつため、心不全に使う際には、少量から開始し評価しながら慎重に漸増する必要がある。水分管理やPDE3阻害薬による強心作用を併用しながら導入することも考慮する。小児における投与適応基準、投与開始のタイミングと増量速度、至的投与量や目標心拍数についてはまだ不明な部分も多い。またresponderとnon-responderが存在し、最近アドレナリン受容体の遺伝子多型と薬剤反応性との関連を示唆する報告があり、今後の研究が待たれる。
一方、左室駆出率が保たれている心不全、右心室の機能不全、単心室形態の機能不全に対するβブロッカーの効果については、有効例の報告はあるものの未だ議論のあるところであり、エビデンスとして確立したものはない。この領域におけるβブロッカーの使い方も今後の課題である。βブロッカーの基本的な使い方を紹介し議論を深めたい。