2:40 PM - 4:10 PM
[I-S04-01] 心磁図を用いた不整脈診断-胎児から成人まで-
【背景と目的】胎児心磁図は心電図同様にPQRST波形を記録でき、高い時間分解能で不整脈診断が可能である。また、小児~成人では64チャネル同時記録で、電流アロー図などマッピングが可能で、心臓局所での電気興奮伝搬を可視化することができる。成人領域ではマッピング技術を応用し、心筋虚血の早期診断のみならず、期外収縮の起源同定、心房細動の周波数解析、Brugada症候群のリスク評価など多くの研究が進められてきた。不整脈診断における心磁図の有用性を明らかにする。【対象と方法】2008年4月から2016年1月までの期間に当院にて施行された合計10,085件(うち胎児864件、小児~成人9,221件)の心磁図検査を後方視的に検討した。【結果】胎児864件の疾患(疑いを含む)の内訳は、胎児先天性心疾患222件、胎児不整脈302件(上室性不整脈87件、心室性不整脈10件、QT延長症候群18件、徐脈47件、房室ブロック(母体自己抗体陽性症例含む)140件)、その他364件であった(重複あり)。PQRST波形を解析することで、QT延長症候群の診断、上室頻拍の機序の鑑別が可能であった。最近2年間に施行された小児~成人2,273件の疾患の内訳は、心房性不整脈1,700件、心室性不整脈254件(Brugada症候群疑いを含む)、虚血性心疾患284件、顕性WPW症候群35件であった。電流アロー図を用い、期外収縮の起源同定、副伝導路の位置同定が可能であった。Brugada症候群では脱分極の後期の電流アロー図で垂直から左上方向への最大ベクトルが観察され、不完全右脚ブロックなど類似する心電図症例との鑑別に有用であった。明らかなBrugada様心電図を来たしていない小児の症例でも、心磁図において同様の変化を認めた。【結論】心電図では捉えられない遺伝性不整脈による初期変化や複雑な胎児不整脈を心磁図では鋭敏に診断でき、リスク評価ができる可能性がある。
評価1 評価2 評価3 採否
発表日時 月 日(第 日) セッション 会場 時 分~ 時 分
受付番号 演題番号
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