14:35 〜 16:05
[I-S05-03] 3次元左室容積計測における3D advance法のBi-Plane Simpson法との比較
背景:心エコーを用いた3次元的心腔内容積の計算はSimpson法に代表されるような複数の2D画像から再建方法が主に行われている。3次元データ処理における並列処理技術の進歩や高度なアルゴリズムのにより左室心内膜面のFrame by Frameでの3Dワイヤ・メッシュを用いた心内膜容積の迅速な生成が可能となった(3D advance法)。今回、同方法を利用して小児の左室容積を求め、これらのデータを従来法であるBi-plane Simpson法と比較した。対象と方法:対象は正常な左室形態を有する無作為に抽出した195名(年齢 0~21才、平均5.4才)を対象とした。心エコー装置はフィリップス社製EPIQ7を用い、全例X5-1 xMATRIX arrayを用い心尖部からFull Volumeを可能な限り高い解像度とVolume Rateが得られるようにMulti-beatスキャンした。得られた3D画像データは同社QLAB10.4を利用し左室拡張末期容積EDV, 収縮末期容積ESV, 駆出量SV, 駆出率EFをそれぞれ3D advance法とBi-Plane Simpson法を用い測定した。またLVSVの評価のためDoppler法によるLVSVも合わせて測定した。結果:EDV, ESV, SVいずれも両方法の計測方法に強い相関を有した(各々r=0.96, 0.89, 0.88, P<0.0001)。しかし、いずれも3D advance法の方がSimpson法に比べ大きく計測された(各々平均 34.9 vs. 32.5ml, 14.0 vs.13.1 ml, 20.9 vs. 19.4ml, P<0.005)。一方、EFは両者に有意差は認めなかった(59.9 vs. 60.2%)。Doppler法によるLVSVの比較では3D advance法はr=0.94、Simpson法はr=0.88と3D advance法が優れていた。結語:3D advance法はBi-Plane Simpson法同様優れた計測結果が得られたが、有意に3D advance 法がSimpson法に比し大きく計測されていた。