The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

染色体・遺伝子異常

一般口演1-02(II-OR102)
染色体・遺伝子異常

Thu. Jul 7, 2016 1:00 PM - 1:50 PM 第B会場 (天空 センター)

座長:
上砂 光裕(日本医科大学 小児科)

II-OR102-01~II-OR102-05

1:00 PM - 1:50 PM

[II-OR102-01] 小児結合組織疾患における大動脈血管弾性の検討

赤澤 陽平, 多田 明良, 山崎 聖子, 蜂谷 明, 元木 倫子 (信州大学小児医学教室)

Keywords:結合組織疾患、マルファン症候群、血管弾性

【背景】Marfan症候群をはじめとした全身結合組織疾患(connective tissue disorders, CTD)では成人期において、血管弾性低下が報告されているが、小児期での血管弾性特性の詳細は明らかではない。【目的】CTDの小児・青年期における大動脈血管弾性について明らかにすること。【方法】小児・青年期のCTD患者32名( Marfan症候群26名、Loeys-Dietz症候群2名、SMAD3異常症3名, vascular Ehlers-Danlos症候群1名, 平均年齢 10.3±6.5歳、男児17名)を対象とし、sinus of valsalva(SOV), sinotubular junction(STJ), 上行大動脈(AAo)、腹部大動脈(Abd Ao)のaortic strain(%), aortic distensibility (×10-3), aortic stiffenssについて、正常control32名(平均年齢9,1±4.5歳、男児17名)と比較検討した。超音波装置はIE 33を用い、大動脈基部、AAoの長軸断面および横隔膜付近のAbd Aoの長軸断面で各血管弾性指標を測定した。【結果】CTD群のSOV径とそのz score値の中央値はcontrol群と比較し有意に拡大していた(SOV径: CTD群 28.1mm vs control群 22.3mm,z core: CTD群 2.5 vs control群 0.2, p<0.01)。両群間で血圧、脈圧に有意差は認めなかったが、SOVの血管弾性はCTD群で有意に低下していた(CTD vs control:aortic strain(%):4.8±4.3 vs 8.7±4.6 , aortic distensibility: 1.1±1.0 vs 1.8±1.1, aortic stiffness: 0.21±0.35 vs 0.04±0.03, p<0.01)。STJ、AAO、Abd Aoの各部位においても、CTD群では各血管弾性指標は有意に低下していた。また、CTD群において、SOVのz score値は各血管弾性指標と有意に相関していた (aortic strain: R=-0.65、aortic distensibility: R=-0.63、aortic stiffenss: R=0.58, p<0.01)。重回帰分析ではSOVのz scoreと年齢がaotric strainと独立して関連していた。【結論】全身結合組織疾患では小児期からすでに大動脈血管弾性は低下し、大動脈基部の拡大と関連していることが示唆された。