8:40 AM - 9:30 AM
[II-OR103-02] 胎児期から連続するエコー検査による単純型大動脈縮窄症の治療適応予測因子
Keywords:大動脈縮窄症、胎児心臓超音波検査、isthmus
【背景】単純型大動脈縮窄症(simple CoA)は胎児エコー検査にて診断、出生後の治療適応について予測することは困難である。【目的】胎児期にsimple CoAが疑われた児で、どのような計測値が大動脈形成手術の危険因子となるか検討すること。【対象】期間は2013年3月 - 2015年12月、胎児心エコーでsimple CoAが疑われた 10例。 【方法】出生後、手術適応となった4例、非手術症例 6例に分け胎児期、日齢0、生後followの3 phaseでのエコー所見を比較。手術症例と非手術症例で、胎児期の週数30.5(中央値)vs 30週、推定体重1274.5 vs 1556.5g、出生週数35 vs 37.5週、出生体重1949g vs 2801g、生後followの日齢10.5 vs 12。胎児心エコーはGE社Volson E8、E10を使用し、生後はPhilips社IE33、GE社E9、Siemens社SC2000を使用。計測部位は、ascending aorta(AAo)、proximal arch、distal arch、sagital-isthmus(I)、descending aorta(DAo))、valve (mitral、tricuspid、Aortice、pulmonary)、length(LV、RV)、LV mid、RV mid、main pulmonary artery、ductus arteriosus(D)とし、さらに3 phaseでの各計測値の成長の有無についても検討。【結果】手術例vs非手術例で、胎児期ではisthmus z score -6.34 vs -1.0、I/DAo ratio 0.4 vs 0.63、I/ AAo ratio 0.41 vs 0.61、I/D ratio 0.32 vs 0.66、AAo z score-2.33 vs -0.11、AAo / MPA ratio 0.48 vs 0.63で有意差あり(p<0.05)。日齢0ではI/DAo ratio 0.33 vs 0.64、I/AAo ratio 0.35 vs 0.69、I/D ratio0.3 vs 0.73で有意差あり(p<0.05)。生後follow時ではI/ AAo ratio ratio 0.25 vs 0.73、I/DAo ratio 0.31 vs 0.85で有意差あり(p<0.05)。胎児期にisthmus径が小さくとも経過とともに成長する症例では手術とならないが、成長しない症例では手術となった(p<0.05)。【結語】胎児期エコーでsagital-isthmus径が小さく、経時的に成長を認めない症例では手術となる。