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[II-OR104-05] 周産期死亡した先天性心疾患胎児診断症例の検討
Keywords:胎児診断、周産期死亡、先天性心疾患
【背景】胎児心エコーによる先天性心疾患(CHD)の胎児診断は有用である一方、診断されても救命できない症例が依然として存在する。【目的】胎児診断症例の周産期死亡の原因を検討する。【対象】2011年1月~2015年12月までに当科で妊娠22週以降でCHDを胎児診断された181例のうち、周産期死亡した13例。【結果】胎児心エコーは中央値33週2日(範囲25週1日~36週5日)で施行し、13例中9例が生存出生し、出生週数は37週4日(28週0日~39週4日)、出生体重は2225g(1000g-3284g)、男児3例。疾患の内訳はhetertaxy 3例、両大血管右室起始(DORV)6例、ファロー四徴症、大動脈縮窄、総動脈幹症(TAC)、大動脈弁閉鎖が各1例。心外奇形合併例は6例で、18 trisomy 3例、21 trisomy、横隔膜ヘルニア、VACTERL連合が各1例。1例は重症仮死で出生し、出生後に肺低形成と診断された。心外奇形合併のない例は6例中、胎児死亡した2例ともDORVで1例は35週に突然胎児死亡し、1例は高度三尖弁逆流で心拡大を伴い26週で胎児死亡した。早期新生児死亡した4例は、heterotaxyが3例、総動脈幹症(TAC)(A3)が1例で、heterotaxy症例のうち2例は高度肺静脈狭窄(PVO)を伴う総肺静脈還流異常を合併し、カテ治療が困難な形態で断念した。1例は高度房室弁逆流と徐脈を認め、胎児循環不全のため28週で出生し生後1時間でペースメーカーを植込むも循環成立せず死亡した。TACの1例は胎児期より高度truncal valve stenosisを認め、38週で出生後、心筋虚血のため日齢1に緊急trancal valve commissurotomyを施行したが循環不全となり日齢5に死亡した。【考察】胎児診断例の周産期死亡率は過去の報告(6.4%)と同程度であった。Heterotaxy、重症三尖弁逆流の他に左心低形成症候群(7/181例)は周産期死亡頻度が高いとされるが当科の症例には含まれなかった。心外奇形合併例、PVOおよび循環不全をきたす疾患例には十分な説明が必要と考えられた。