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[II-OR115-02] Valsalva法と下大静脈一過性閉塞による動静脈Capacitanceの分布と上下半身Capacitance分布の算出
Keywords:Capacitance、Distribution、循環変動
背景】静脈Capacitanceは、Volume変動に対する中心静脈圧(CVP)の変動を規定するために、定常状態のCVPではわからない臓器への負担を予測するのに重要な病態生理学的Parameterである。目的】Valsalva法とIVC一過性閉塞中の血圧とCVPの変動から動静脈Capacitanceの分布、および上下半身Capacitance分布を算出する方法を考案し、その妥当性を検証する。方法】カテーテル検査中のValsalva法前後における大動脈圧とCVPの変化の比から平均循環充満圧(mCP)を算出し、循環血液量(Q)はDDGアナライザー(フクダ電子)を用いてICG投与による濃度変化曲線から算出した。IVC閉鎖前後定常状態の動静脈Capacitance、その容量、圧をそれぞれCa, Cv, Qa, Qv, Pa, Pv、上下半身Capacitance、その容量、圧をそれぞれCu, Cl, Qu, Ql, Pu, Plとし、IVC閉鎖後の動静脈容量、圧、上下半身容量、圧をそれぞれQa', Qv', Pa', Pv', Qu', Ql', Pu', Pl'とした。方法1)Ca/Cv=(Pv'-Pv)/(Pa-Pa'), (Ca+Cv)*mCP=Q からCa, Cvを算出可能。IVC閉鎖後下半身はほぼ充満した状態なので、Ql'=Cl*Pl', Qu'=Cu*Pu', Ql'+Qu'=Q, Cl+Cu=Ca+Cvから連立方程式を解くことにより Cl, Cuが算出可能。方法2)IVC閉鎖後の圧Pl'とmCPの比は循環血液量Qに対する下半身充満血液量Ql'の比にほぼ等しいので、Ql’=Q*P'l/mCPから算出可能。Qu'=Q-Ql'で算出可能。したがってCu=Qu'/Pu', Cl=Ca+Cv-Cuで算出可能上記2方法で求めたCl, CuをCHD12人で比較した。結果】静脈Capacitanceは動脈Capacitanceの平均4.1倍で小児の柔らかい動脈と心疾患の収縮した静脈を反映している可能性を示唆した。さらに上記2方法で求めたの上下半身のCapacitanceはよい相関を示し(r=0.88)、本法の妥当性を支持した。結論】Valsalva法とIVC閉鎖により動静脈Capacitance、上下肢Capacitanceの算定が可能であり、今後循環変動予測や手術適応判定に役立つ可能性を検証することができる。