The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

心不全・心移植

一般口演1-17(II-OR117)
心不全・心移植

Thu. Jul 7, 2016 10:50 AM - 11:40 AM 第C会場 (オーロラ ウェスト)

座長:
朴 仁三(東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)

II-OR117-01~II-OR117-04

10:50 AM - 11:40 AM

[II-OR117-04] Twitterのbig data解析を用いた心臓移植に対する日本人の意識調査

那波 伸敏, 小垣 滋豊, 石田 秀和, 桂木 慎一, 高橋 邦彦, 鳥越 史子, 成田 淳, 馬殿 洋樹, 髭野 良太, 三原 聖子, 大薗 恵一 (大阪大学大学院医学系研究科 小児科学)

Keywords:心移植、big data analytics、content analysis

<背景>臓器移植法改正後も小児脳死ドナー不足は深刻な問題である。ドナーとして臓器提供を考える状況は、家族に突然訪れ、厳しく限られた時間の中で判断を行わなければならない。家族にとって最善の判断がなされるためには、平常より移植に対する正しい情報が提供された環境が重要である。しかし現在の日本社会において、どのような情報が求められているかは明らかでない。最近、国民の情報源としてSocial Network Serviceは重要性を増しており、日本のTwitter利用者数は1500万人に達する。それに伴い、big data解析が医学の分野でも応用されるようになってきた。我々は以前にインフルエンザワクチンに対する日本人の意識についてbig data解析の結果を報告した。今回、国民に対して正しく必要な情報を提供するために、Twitter dataを解析して、心臓移植に対する日本人の意識調査を行った。<方法>2015年8月から2016年1月までに収集した心臓移植または心移植という単語を含む全ての日本語tweetを用いて、カテゴリーに分類して解析を行った。また内容により心臓移植に対する意識の分類(positive、neutral、negative)を行った。<結果>4986個のtweetを解析した。募金協力のお願い、心臓移植がテーマの映画やドラマに関するもの、募金金額に関連するものが、頻出するカテゴリーであった。全体的にpositiveな意見が多いが、募金金額に関連するものはnegativeな内容が多く、中には情報不足、誤解に基づくものも認められた。また、メディアで取り上げられた後は、tweet数が上昇する傾向にあった。<考察>日本人は心臓移植に対して様々な立場から発言を行っていた。positiveで好意的な意見が多い一方、金銭面ではnegativeな内容が目立ち、一部の誤解が広がれば移植医療全体への不信感につながる可能性もある。医療側は、現在日本社会の意識に対応して、正しく必要な情報をわかりやすい形で発信していくことが求められる。