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[II-OR202-05] 先天性横隔膜ヘルニアを合併した先天性心疾患症例への外科的介入と術式の検討
キーワード:横隔膜ヘルニア、先天性心疾患、肺動脈狭窄
【目的】先天性横隔膜ヘルニア(CDH)を合併した先天性心疾患(CHD)は予後が悪く,生存例も肺動脈低形成,肺高血圧により難渋することが多い.今回心疾患への外科的介入を施行したCDH合併CHD例について検討した.【方法】1994年7月から2016年1月までに当院で経験したCDH 108例中,CHDを合併し心内修復術を施行した9例を検討した.観察期間は154-7876日(median 740日)【結果】CDH修復術は8例で施行,心疾患はVSD 2例,ASD 2例,triple shunt 1例,TOF 2例,DORV 1例,HLHS 1例. 7例は根治術を施行.根治施行日齢は145-5054日(median 283日).根治術前,8例で肺高血圧を認め,カテーテル検査(5人)ではRp 1.20-5.68(median 2.86),Rp/Rs 0.16-0.69(median 0.34)であった.院内死亡0人,遠隔死亡1人(TOF根治未,18trisomy,肺炎にて死亡).ECMO導入例1例(HLHS,Norwood術後)CDH側の肺動脈狭窄・低形成は 55.6%(5例)で認め,うち2人は外科的介入を要した.1例は左CDH修復後TOFにてSP shunt施行するも左PAの血流乏しく左BT shuntを追加.TOF repair後左PA狭窄に対し2度BAPを施行.もう1例は左CDH修復後DORVにてDKS+Rastelli手術を施行.RV-PA conduit replacementの際,左PA plastyを施行.【考察】CDH症例の中で先天性心疾患合併例は早期死亡が多いがヘルニア修復後,順調に経過すれば心内修復を経て生存している例は多い.今回の結果のように肺動脈低形成,狭窄に対し外科的介入を要する例もあり介入時期や姑息手術の方法について術前より留意し検討すべきである.