The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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パネルディスカッション

パネルディスカッション1(II-PD01)
長期予後を見据えたFontan児童・生徒の運動・学校・日常生活管理

Thu. Jul 7, 2016 3:10 PM - 4:40 PM 第A会場 (天空 A)

座長:
大内 秀雄(国立循環器病研究センター 小児循環器科)
先崎 秀明(埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科)

II-PD01-01~II-PD01-04

3:10 PM - 4:40 PM

[II-PD01-03] 新生児期発症重症先天性心疾患術後児の学童期運動能について

岩島 覚1,2, 上田 憲2, 田中 靖彦2,3, 佐藤 慶介3, 小野 安生3 (1.浜松医科大学 小児科学教室, 2.静岡県医師会学校保健対策委員会学校心臓検診結果検討小委員会, 3.静岡県立こども病院 循環器科)

【はじめに】我々は第50回本会で新生児期に手術介入が必要な内臓錯位症候群(Hetero群), 左心低形成症候群(HLHS群)術後例において学童期の運動制限されている割合が近年減少していたことを報告した。【目的】Hetero群, HLHS群術後例の学童期運動制限に関わる因子を検討する。【対象、方法】静岡県下における術前後記録が確認できたHetero群18例、HLHS群13例。運動制限の有無は管理指導票のD区分以下の例をLA群、E以上の例をNA群とした。結果は平均±標準偏差で示し統計学解析にはSPSS ver22を用いP値0.05未満を有意差ありとした。【結果】Fontan型手術の施行時平均年齢2.1±1.4yで疾患別差は認めなかった。運動制限は12例(38.7%)に認めHLHS群のLAは5/13 , Hetero群のLAは7/18 で有意差を認めなかった。出生年代の検討で2000年未満出生ではLA 8/13,2000年以降出生のLA 4/18と有意差を認めた(P=0.032)。Fontan型施行時年齢はLAで有意に高く(LA 2.8±1.9y vs NA1.6±0.5y, P=0.003), グレン術(BDG)施行時年齢もLAで有意に高かった( LA 0.9±0.7y vs NA 0.6±0.2y, P=0.001)。術後の心カテデータ、胎児診断率等2群で有意差を認めなかったが術後心カテ時のSaO2とBNPで2群の差を認めた( SaO2, LA 92.3±4.6% vs NA 94.6±1.8%, P=0.001, BNP, LA 92.9±55.5 pg/dl vs NA 23.4±17.1 pg/dl, P=0.009)。これら有意差を認めた指標について多重解析(ステップワイズ法)した結果BNPについて有意な差を認めた(beta= 0.749,p=0.005)。運動制限の有無でのROC解析で有意差を認めた指標は術後の心カテ時のBNPでAUC=0.963(p=0.021)でCutoff値47.9pg/dl 感度100%,特異度 88.9%,であった。【まとめ】Hetero群, HLHS群における学童期運動制限を規定する因子は出生年代別、Fontan型施行時年齢, BDG施行時年齢、Fontan型手術後のSaO2とBNPであった。特に術後1年後のBNP値は学童期運動制限される重要な因子と思われた。