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[II-PD06-05] 学校心臓検診における症状調査の意義
学校心臓検診の調査票では症状に関する調査がされるが、その取扱については、まだ一定の基準はない。今回、私たちは、心疾患を疑う症状のある例について2次検診を行い検討した。対象・方法:平成27年度の都立学校心臓検診を受診した高校1年生42,587名および経過観察中の1年生以外(他学年)の1,298名である。6か月以内に「何もないのに、急に心臓が早く(いつもの倍ほど)打つことがある(動悸群)」「運動中や運動後に気を失ったことがある(失神群)」があった例に対して2次検診を行った。1年生では、1次検診で抽出された全3,702例のうち、この症状による抽出数は、動悸群231例、失神群22例で、他学年生では抽出1,066例中、動悸群68例、失神群5例であった。動悸群に対しては、2次検診において詳細な問診と診察、胸部エックス線、運動負荷検査を、失神群ではさらに心エコー図を実施した。結果:【動悸群】2次検診を受診したのは1年生217例、他学年66例であった。1年生では、2次での検査により有意の所見が20例あり、反復性症状(8例)、ST変化(1例)、PVC(3例)、SVPC(4例)、2AVB(2例)1AVB(2例)にあり、うち専門医療機関紹介、E可、管理不要と判定したものはそれぞれ10例(抽出数の4.6%)、5例(2.3%)、5例(2.3%)であった。他学年では、2次での検査により有意の所見が8例でQT延長(1例)、PVC(6例)、AVD(1例)にあり、うち2例(3.0%)が専門医療機関紹介となった。【失神群】2次検診を受診したのは1年生20例、他学年5例であった。1年生では2次での有所見が2例(PVC、PAC)で、E可1例、管理不要1例であった。他学年では2次での心電図QSパターンにより1例で専門医療機関紹介となった。結語:動悸群、失神群ともに、症状による抽出により新たに精密医療機関受診あるいは管理を必要とする心疾患が発見され、動悸群では6.9%の頻度であった。有症状とこれらの疾患との直接の関連については不明で、さらに検討する必要がある。