The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

シンポジウム2(II-S02)
Current Advance in Pediatric Interventional Cardiology; from Bench to Cath lab

Thu. Jul 7, 2016 9:25 AM - 11:15 AM 第A会場 (天空 A)

座長:
馬場 健児(岡山大学病院小児科 IVRセンター)
富田 英(昭和大学横浜市北部病院 循環器センター)

II-S02-01~II-S02-05

9:25 AM - 11:15 AM

[II-S02-03] Intracoronary Infusion of Autologous Cardiosphere Derived Cells for Single Ventricle Physiology Children

栄徳 隆裕1, 大月 審一1, 馬場 健児1, 近藤 麻衣子1, 栗田 佳彦1, 福嶋 遥佑1, 重光 祐輔1, 平井 健太1, 王 英正2, 佐野 俊二3, 笠原 真悟3 (1.岡山大学病院 小児循環器科, 2.岡山大学病院 新医療研究開発センター, 3.岡山大学病院 心臓血管外科)

【背景】2007年にSmithらは臨床応用可能な充分量の幹細胞培養法を確立しCardiosphere Derived Cells(CDCs)と名付けた。その後の研究でヒトのCDCsは右心系に多く存在し、成人より小児の心筋内に多いこと、小児のCDCsは成人に比し再生能力が高いことが報告され、その臨床応用が期待されている。
【臨床試験の概要】
2011年に岡山大学では左心低形成症候群7症例にCDCsを冠動脈注入法により自家移植する第1相臨床試験を行い、その安全性と有効性を報告した。移植は全例で安全に遂行可能であり、右室駆出率が46.9%から54%に有意な改善が得られ、3年間にわたりEF保持が確認された。次に適応をHLHSにとどまらず機能的単心室症にまで拡大し、症例数も34症例に増加した第2相ランダム化比較試験を行い、移植後1年のfollow upをようやく全34例終え、現在効果を解析中である。そして多施設間共同研究を進めているところである。
【カテーテルテクニック】
自己心臓内幹細胞移植の最も特徴的な手技は、CDCsを冠動脈注入する際に冠血流を一時的に遮断する“stop flow”techniqueである。冠動脈内またはその近傍で5F guiding catheterを固定し2.8F temporary occlusion balloon(KUDOS○R)を標的部位まで到達させ、約1分程度冠血流を遮断する。15以上の血圧低下や20以上のHR低下を認めた場合は緊急でballoon deflateを行う。41例(月齢5~70,中央値33ヶ月、体重4.1~15.5、中央値10.1kg)の患者に移植を行い、一過性ST変化を39例、15mmHg以上の血圧低下を18例に、20以上のHR低下を5例に、一過性冠動脈攣縮を8例に認めたがいずれも手技中に改善した。当院で行っている自己心臓内幹細胞移植について、その手技の方法を報告する。