The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)02(II-TOR02)

Thu. Jul 7, 2016 9:25 AM - 10:05 AM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
宗村 弥生(山梨県立大学 看護学部小児看護学)

II-TOR02-01~II-TOR02-04

9:25 AM - 10:05 AM

[II-TOR02-04] ―小児の心臓カテーテル検査開始へのカテ室の取り組み―子どもが「安全」「安楽」に検査を受けられるために

原 淳子1, 大津 幸枝1, 相田 尚子1, 黒崎 江里子1, 桑原 千晶1, 根本 幸恵1, 松村 和子1, 岩本 洋一2, 石戸 博隆2, 増谷 聡2, 先崎 秀明2 (1.埼玉医科大学総合医療センター 看護部, 2.埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科)

Keywords:小児、心臓カテーテル検査、先天性心疾患

【はじめに】当院は大学病院センターで、成人の心臓カテーテル検査(心カテ)のみを施行してきたが、小児循環器部門の新設に伴い、小児の心カテを開始した。成人と小児では心カテ全般にわたり大きく異なる。開始にあたっての準備・困難は、子どもが安全に心カテを受けるための課題を内包しているため、我々の取り組みを振り返り、課題をまとめる。【方法】小児の心臓カテーテル検査105件を後方視的に検討した。【我々の取り組み】・こどもがパニックにならないよう、麻酔担当医と打合せ、ぎりぎりまで親といられる配慮や好きな音楽を流す、カテ室からの帰室に親にお迎えにもという小児ならではの配慮を行った。・カテーテル検査前から情報収集、準備:患児の状態に個人差が大きく、先天性心疾患患者の特徴の理解が必要であるため、外来・病棟・カテ室ME・放射線技師と密接に連絡をとり、合併症予測とシミュレーションを行った。・心カテ中に必要な採血検体量・必要スピッツを、外注検査部門スタッフと前日に打合せ、混乱を回避した。・酸素飽和度測定は看護師が施行し、測定部位毎の酸素飽和度を白板に明示して、矛盾する測定値には再測定を促し、積極的にカテーテル内容、病態の理解に取り組みより安全かつ有効なカテーテル検査をめざした。・麻酔導入前の患児への声かけやタッチングを行い、導入時は、検査台は柵がないので両サイドに看護師が必ず立つ。・以上の取り組みの中、抜管後、確実に固定をしてから覚醒させるが、半覚醒で混乱する児が少数存在した。【結語】先天性心疾患の病態は多様であり、心カテを安全に施行するためには、病態理解に基づく看護と多職種のチームワークが重要である。発達遅延や不安が強い場合の工夫や配慮、帰室時のコンディション、止血のための固定についてはさらなる向上の余地があると思われ、今後改良を加えていきたい。