The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)04(II-TOR04)

Thu. Jul 7, 2016 11:05 AM - 11:45 AM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
青木 雅子(武蔵野大学看護学部 小児看護学)

II-TOR04-01~II-TOR04-04

11:05 AM - 11:45 AM

[II-TOR04-03] 植え込み型人工心臓挿入後の思春期患者への日常生活復帰に向けた看護師の支援

川口 紗耶佳, 本宮 めぐみ, 藤咲 珠代 (東京女子医科大学病院 循環器小児科)

Keywords:植込み型人工心臓、思春期、日常生活復帰

1.はじめに植え込み型人工心臓を挿入している思春期患者の、日常生活復帰に関して必要な支援と課題を、症例をもとに検討したため報告する。2.方法、倫理的配慮診療録より、日常生活復帰のための支援内容に関する情報を収集し分析した。本人・保護者に、口頭で、研究目的・内容・方法、結果の公表、プライバシーの保護について伝え同意を得た。3.看護実践の内容中学2年の患者は、前院でDCMと診断、当院へ搬送後緊急人工心臓植え込み術施行となった。前院と当院で、家族・本人に説明を実施している。患者は、心療内科医師によると10歳程度の精神発達だと言われていたが、思春期患者であることも考慮しセルフケアを促す事を目標に支援した。規則正しい生活を目的に、1日の予定、ICUで生活する上でのルールを、患者とともに改善し実施できるよう工夫した。また、退院後の自己管理を目的に、1日に必要な水分量を摂取するために水分表の活用を行った。精神発達の面からも、目標値を設定し達成したところでシールを貼る方法を取り入れた結果、実践に繋がった。ADLの拡大に向けて体力回復をするために、食事摂取の必要性を説明し、達成できる食事量の提示をした。また、車いす使用を促したが、継続した実施が困難だった。また、患者へ人工心臓挿入前に2度の説明がされていたが、患者の発言や行動から、理解が不十分と感じられたため、CNSが個別のツールを作成し、医師と協働し説明を行った。4.考察日常生活への介入は、自己決定を促したことや、精神発達に合わせた水分表の活用により、主体的にできたのではないかと考える。また、多職種連携やチームケアを中心に行い、チーム内での役割を決めることが必要であると示唆された。患者への説明に関しては、患者の認知の確認を適宜行うこと、医師と協働し早期に患者への説明を実施していく必要があったと考えられた。