The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)04(II-TOR04)

Thu. Jul 7, 2016 11:05 AM - 11:45 AM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
青木 雅子(武蔵野大学看護学部 小児看護学)

II-TOR04-01~II-TOR04-04

11:05 AM - 11:45 AM

[II-TOR04-04] エポプロステノール持続静注ポンプの清潔保持の実態

安藤 菜摘子, 鈴木 晴奈, 澤井 亜依, 圓見 千代, 小垣 滋豊 (大阪大学医学部附属病院 小児医療センター)

Keywords:肺高血圧症、エポプロステノール、衛生管理

【背景】小児肺高血圧症の治療として、中心静脈カテーテルを留置してのエポプロステノール(以下PGI2)持続静注療法は長期に渡る。カテーテル感染のリスクがあり、安定した治療継続のためには投与環境の衛生管理は重要である。清潔操作、カテーテル管理は統一した指導を行っているが、持続静注ポンプや保冷バッグの衛生管理についての指導は行っていない。冷却を要するPGI2製剤の場合、持続静注ポンプや保冷バッグは結露で湿潤し汚染が目立つ。【目的】PGI2持続静注ポンプ周囲の清潔保持の実態を調査し、適切な衛生管理方法を検討する。【方法】PGI2持続静注ポンプを使用中の学童~思春期の5例を対象に、ポンプの操作面と保冷バッグをATP拭き取り検査法(ATP値が高いほど汚染度が高い)を用いて測定した。同時に在宅での管理方法を聞き取り調査した。うち2例は調査期間中に入院があり、洗浄成分を含む環境クロスで清拭し、前後での測定値を比較した。なお対象者には倫理的配慮を行い、学会での発表の同意を得た。【結果】ポンプの操作面のATP値は54~1308RLU、湿潤した保冷バッグは150~15341RLU、乾燥したバッグは308RLUであった。入院していた2例では、ポンプとバッグとも清拭後に測定値は約1/2~1/3に低下した。在宅でポンプを清拭しているものは2例、バッグは全例で乾燥や交換をしており、1例は洗浄をしていた。【考察】ポンプの操作面は接触頻度が高いが、在宅で清拭をしている場合にはATP値は低かった。湿潤している保冷バッグではATP値は高く汚染度が高かった。保冷の必要がないPGI2製剤に切換えている1例ではバッグは乾燥しており、長期間使用していても値は低く、清潔が保持できていた。清拭を開始した2例の結果から、衛生管理での清拭の有効性が示唆され、試行している。今後追跡調査の上、更に管理方法を検討する。