The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)05(II-TOR05)

Thu. Jul 7, 2016 3:30 PM - 4:20 PM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
萩原 綾子(神奈川県立こども医療センター)

II-TOR05-01~II-TOR05-05

3:30 PM - 4:20 PM

[II-TOR05-01] 急変を期に終末期をむかえ関わりに困難さを感じた家族への支援

有賀 望 (東京慈恵会医科大学附属病院 看護部)

Keywords:終末期、関わり、保育介入

【背景・目的】PICUにおいて終末期の患者への関わりに困難を感じた家族の思いを受け止め保育介入を行った事例を経験した.保育士という立場から家族をサポートし,どのような役割を担うことができたのかを報告する.【方法】事例検討.本事例を検討するにあたり,家族に了承を得て個人の特定が出来ないようなプライバシーの保護に配慮した.【事例紹介】先天性複雑心奇形の8歳女児A.今回は腹囲増大,不正脈の加療目的で入院.その後に循環不全となりPICUに入室.呼吸器管理となり意思疎通が困難となる.さらに真菌感染などの合併症からショック症状を起こし,PICU入室から3ヶ月後に永眠された.【関わりの実際】急変前:入院から2ヶ月,母よりAの表情が乏しくなり,食事や活動の意欲が低下していると訴えがあった.保育介入はAの意欲を引き出し,生活にメリハリをつけられるように関わった.PICU管理中:鎮静剤を使用し呼吸器管理となっているAを見て母よりこの状況になりどうやって関わったらいいかわからないと発言が聞かれた.そのため,母の面会時間に合わせて保育介入ができるように訪室し,母の思いを傾聴すること,Aと母の関係が途切れないように急変前と変わらない関わりをした.【考察】急変前から関わっていたことで母と保育士の関係性が築けていたため,終末期が近づいているAにどう接したらいいかわからないという母の思いを一緒に受け止めることができたと考える.意思疎通困難となったAと保育介入を通して家族で1枚の画用紙に手形をとり家族一緒の思い出を生きた証として残す関わりをおこなった.また,身近に感じられる作品を制作したことでAの存在を家族が受け入れ,Aと家族の繋がりをもてたと考える.PICU入室後は,保育士は,母の胸の内を聞き,思いを語り,子どもや夫との関係性の中にある思いを受け止める役割を担っていた.Aの家族にとって保育士は身近な存在として寄り添えていたからだと考えている.