The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)06(II-TOR06)

Thu. Jul 7, 2016 4:30 PM - 5:10 PM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
長谷川 弘子(大阪大学医学部附属病院看護部)

II-TOR06-01~II-TOR06-04

4:30 PM - 5:10 PM

[II-TOR06-01] 重症心不全患児への栄養管理におけるチームアプローチ

平野 麻実子1, 岡崎 加奈1, 大谷 美晴1, 正田 亜沙美1, 上甲 貴江1, 磯崎 絵吏2 (1.広島市立広島市民病院 小児科, 2.広島市立広島市民病院 栄養科)

Keywords:重症心不全、栄養、NST

【背景】重症心不全患児は、利尿剤、水分制限が必要なことが多く、肝機能、腎機能障害の他、消化管障害によって栄養吸収が妨げられ重度の発育障害をきたしやすい。今回NSTが介入し、術後の低栄養状態の改善を促すことができた症例を経験した。【目的】重症心不全患児の栄養状態が改善した経緯を振り返り、NST介入の効果、看護師の役割を明らかにする。【倫理的配慮】 本研究はA病院倫理委員会の承認を得て、家族の同意を得ている。【方法】呼吸状態改善後,NSTアプローチ前後の栄養投与と体重増加について抽出する。【症例】患児は総動脈幹1型、先天性気管軟化症合併例で、月齢11にRastelli手術を施行した男児。月齢22に気管軟化症と心不全の急性憎悪のため呼吸不全を発症し再入院。再ラステリ手術、異常走行していた無名静脈離断、大動脈吊り上げ術を施行。月齢25気管切開と食道背側を走行していた鎖骨下動脈離断術が加えられた。体重5.3kg(-5.6SD)と入院時より悪化。綿密な水分・栄養管理が必要と考えられたが、栄養剤の変更で容易に肝機能、腎機能が悪化、下痢が出現。嚥下造影で誤嚥あり経鼻EDチューブより24時間持続投与していた。【経過】母親は児の体重増加への思いも強く看護師に不安な思いを吐露。NST介入へとつなげた。NST介入時、月齢28身長71.5cm(-5.2 SD)、体重5744g(-5.0 SD)。24時間持続注入で摂取栄養量669kcal/day(EQ116,水分550ml)。GERなく、NGチューブからの間欠投与に移行。看護師はその都度全身状態を観察し医師や栄養士に報告した。NST介入2ヶ月後成長ホルモン導入。NST介入3ヶ月後、摂取栄養量720kcal/day(EQ97、水分610ml)。身長74cm(+2.5cm-4.9SD)、体重7410g(+1660 -4.1SD)と改善し退院した。【考察】看護師は児のフィジカルアセスメントを日々行い適切な栄養管理を他職種と共に検討できるよう調整していく役割がある。外科手術、薬物療法による介入に加え、看護師、医師、栄養士を含めたチームでの栄養管理が、児の栄養、QOL改善に重要な役割を果たした。