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[II-TOR06-02] フォンタン手術後の患児の食事における脂肪制限とその解除についての検討~食事制限のあるこどもへの看護ケアの示唆を得るため~
キーワード:脂肪制限食、フォンタン手術、乳糜胸
【背景】フォンタン手術(以下、F手術)の術後合併症である胸水、乳糜胸の治療として、脂肪を制限する食事療法があるが、制限に関する先行研究がなく、乳糜胸を疑う患児には制限が長期化しているのが現状である。そこで、今回、F手術を受けた患児の脂肪制限の現状と要因について量的研究を行い、看護への示唆を得たので報告する。【目的】F手術後の脂肪制限解除の時期とその看護ケアについて検討することを目的とした。【方法】2011年~2014年にF手術を受けた患児90名を対象として、脂肪制限の状況、合併症の有無と要因、脂肪制限解除時期を分析した。本研究は院内倫理委員会の承認を得て行った。【結果】90名中、胸水貯留が47名(52.2%)にみられた。胸水貯留に関して、術後16日以前に脂肪制限を解除した群(早期群)と17日以降に解除した群(遅い群)に有意差があった。胸水貯留は、早期群43名中7名(16%)、遅い群47名中40名(85%)にみられた。胸水貯留、乳糜胸と要因の分析では、性別、年齢、疾患、系統別共に有意差はなかった。早期群43名中、段階的に脂肪解除されたのは13名(30.2%)のみであり、段階的に解除していない30名中、5名に胸水貯留がみられた。段階的な脂肪制限の有無と胸水貯留には、有意差はなかった。【考察】F手術後合併症がなく、脂肪制限が長期に及ぶ場合、術後16日以降が解除の参考となる。段階的な脂肪解除の有無と胸水貯留には有意差はなかったが、患児への負担を考えると今後、検討が必要だと考える。F手術を受ける幼児期は、食事などの基本的生活習慣を自律して身につけていく重要な時期である。脂肪制限のある患児への看護として、栄養や病態に関する知識、関心を持ち、個々の患児にできることを考え、医師を含めた多職種へ意見を出し、協働していくことが重要と考える。