The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)06(II-TOR06)

Thu. Jul 7, 2016 4:30 PM - 5:10 PM 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
長谷川 弘子(大阪大学医学部附属病院看護部)

II-TOR06-01~II-TOR06-04

4:30 PM - 5:10 PM

[II-TOR06-04] 小児エポプロステノール製剤持続注入療法の退院指導に関する一考察

野村 英利, 藤田 直美, 笹川 みちる, 永吉 直美 (国立循環器病研究センター)

Keywords:退院指導、エポプロステノール、小児

【目的・背景】エポプロステノール製剤持続注入療法(以下Epo療法)は、導入する小児患者が少ないこともあり自己管理確立に向けた看護ケアの方法については標準化されていない。そこで今回経験した1事例を振り返り、小児のEpo療法の退院指導の特徴について考察したので報告する。
【方法】Epo療法導入となった特発性肺動脈性肺高血圧症の8歳男児の看護記録から退院指導に関する情報を抽出し振り返りを行った。
【倫理的配慮】発表に関して患児と家族に口頭で説明し同意を得た。
【結果】患児に対しEpo療法開始前に母親から「今までの薬ではしんどくなってきたから新しい薬を使う」と伝えられた。その後留置カテーテルについて看護師より絵を用いて説明を行った。母親に対しては成人患者を対象としたパンフレットを用いて薬剤管理に関する指導をした。母親の理解は良好で手技は問題なかったが「自分の子どもの体の中に入れる薬だから怖い」との不安が強かった為、16日間看護師が付き添い作成・交換を行った。その際出来ている部分を細かく是認し自信に繋がる声掛けを行った。患児に治療開始後の思いを確認すると体調の改善を実感しEpo療法が「体を楽にしてくれる大切なもの」と理解できていた。そこで作成したパンフレットを用いて母と患児と一緒に自宅や学校でのチューブ管理の注意点、ポンプアラームへの対応、創部感染について説明した。Epo療法導入35日目退院し小学校へ復学できた。
【考察】患児に対し最初に信頼している母より治療について説明された事が治療の受け入れに繋がったと考える。Epo療法を導入する患児の親には子どもの生命に関わる行為への不安感・重圧感がある為、看護師には細やかな技術指導と共に、共感的姿勢が求められる。また治療開始後、体調改善を実感している時に指導的関わりを行った事が患児の理解を深めたと考えられ看護側からの体調変化を意識させる関わりも効果的と思われる。